レバレッジETFとビットコインに投資しています。
今回は、いわゆるハイテクに投資するレバレッジETFであるTECLを紹介します。
人気のあるレバレッジETFで、このブログを見ている多くの方はご存知だと思います。
私はTQQQに投資をしていたのですが、残念なことにサクソバンクでTQQQを購入することができなくなりました。
TECLはTQQQの代替案になるでしょうか。
TQQQの購入経験がなくても、レバレッジ投資家ならTECLのTQQQの違いについて疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
この記事では、TECLに対応する非レバレッジETFのXLKについても合わせて解説します。
目次 (クリックでジャンプ)
XLK
概要
XLKは、TECLに対応するレバレッジのないETFです。
正式名称は以下の通りです。
State Street社が販売しているSPDR®シリーズの1つです。
連動する指数は、テクノロジー・セレクト・セクター指数(Technology Select Sector Index)です。
S&P 500のうち、テクノロジーセクターを代表する企業指数。
構成企業: テクノロジーハードウェア、記憶媒体、周辺機器、ソフトウェア、通信機器、半導体および半導体装置、ITサービス、電子機器およびコンポーネント
公式サイトより
構成銘柄数は約70です。
コンピューターや半導体をはじめとするハイテク企業全般を含む指数となっています。
構成銘柄(QQQと比較)
2021年11月18日現在のXLKの構成銘柄は以下の通りです。

(最新情報はこちら)
XLKではMicrosoftとAppleがそれぞれ20%以上を占めています。
最近NVDAが躍進し比率が増加傾向ですが、それでもMicrosoft, Appleよりはるかに低い比率です。
一方、ナスダック100指数に連動するETFであるQQQの構成銘柄は以下の通りです。

(最新情報はこちら)
QQQの方がバランスが良いように見えます。
構成企業のうち共通する部分と異なる部分を見てみましょう。

当然ですが、ナスダック非上場企業はQQQには含まれません。
XLKに含まれるVisa, Mastercard, IBMなどの歴史ある企業は、QQQに含まれていません。
一方で、QQQに含まれるがXLKには含まれないという銘柄は、以下のようにかなり多いです。
Amazon, Facebook, Google, Netflix, Tesla
ペプシコ、コストコ(生活必需品)
スターバックス(一般消費財)
モデルナ(ヘルスケア)
その他
ナスダック100はナスダックに上場している金融以外の時価総額上位100銘柄です。
非ハイテクセクターがXLKに組み込まれないのは当然のことです。
しかし、世間ではハイテクのイメージが強そうな、
Amazon, Facebook, Google, Netflix, TeslaはXLKに含まれていないのです。
Amazonも一般消費財で、GoogleとFacebookとNetflixは通信サービスです。
この点もXLKとQQQの大きな違いです。
そして、これらの銘柄を含まない分AppleとMicrosoftの割合が高く、パフォーマンスにも大きく関わっています。
設定時期
1998年12月16日とかなり古いです。
SPYの設定が開始されたのは1993年、VOOは2010年ですから、歴史のあるETFと言えるでしょう。
配当利回り
年4回分配金を出していて、2021年4月1日現在の利回りは0.91%です。
ハイテク企業では無配や分配金が少ないのは珍しくなく、妥当なとこでしょう。もっぱらキャピタルゲイン狙いのETFです。
経費率
0.12%とかなり抑えられています。
QQQの0.20%と比較しても低く、特定のセクターに投資するETFとしては文句のつけようがないでしょう。
流動性
純資産 423億ドル
平均出来高 9,658,287
(2021年11月18日現在)
流動性は十分と言えるでしょう。
TECL
概要
正式名称は以下の通りです。
日々の値動きが、テクノロジー・セレクト・セクター指数の3倍となることを目指して運用されます。
したがってパフォーマンスは、 XLKの構成銘柄の株価によって決まります。
設定時期
2008年12月17日です。
SPXLとほぼ同時期で、TQQQよりも古いです。
配当利回り
最近は年2、3回不定期に分配金を出していて、2021年4月1日現在では0.52%です。
レバレッジETFなので、分配金目的ではなくキャピタルゲインを狙う商品です。
経費率
1.01%と、レバレッジETFとしては妥当なところです。
分割
2010年5月に4分割、2015年5月にも4分割されています。
2021年3月2日には10分割され、価格がそれまでの400ドル台から40ドル台になりました。
おかげで個人投資家にはかなり買いやすくなりました。
流動性
上記の分割により出来高が上昇し流動性が高まりました。
純資産 25.3億ドル
平均出来高 1,256,146
(2021年11月18日現在)
それでも最も高い流動性を誇るTQQQと比較すると、時価総額は5分の1程度、出来高は30分の1程度と低めであることに注意が必要です。
パフォーマンス比較
XLKとQQQ
まずはXLKとQQQのパフォーマンスを比較します。
1999年4月の時点ですでに両者は設定されているため、そこから2021年3月までの22年間で見てみましょう。この期間にはITバブル崩壊、リーマンショックといった大きな経済危機がありました。
S&P 500のデータも合わせて提示します。

最終的なリターンは、
QQQ(青)>XLK(赤)≧S&P 500(橙)
となりました。
開始当初は好調だったXLKとQQQは、ITバブル崩壊でいずれも大きく下落してS&P 500を下回りました。
リーマンショックの際は3つとも下落しました。
2010年代にXLKとQQQは力強く上昇し、QQQはS&P 500を抜き去りましたが、XLKは2020年にかろうじて並びました。
ドローダウンはXLKよりわずかにQQQの方が大きいです。
先述の構成銘柄の違いがパフォーマンスの違いにつながったと考えられます。
ナスダック100指数の採用企業は時価総額で決まるため、今後も勢いのある企業への銘柄入れ替えが行われると予想します。また組み入れられる銘柄はハイテクに限りません。
これによりQQQは当面XLKより高いパフォーマンスを維持するのではないかと、個人的には考えています。
TECLとTQQQ
2011年以降のTECLとTQQQのパフォーマンスについてはこちらの記事で解説しています。
TQQQのリターンはTECLを上回っています。
残念ながら、それより前のデータはありません。
ただしXLKとQQQという1倍ETF同士を比較した結果は、TECLとTQQQにも概ね当てはまると言えるでしょう。
よって、全期間を通じてもTQQQのパフォーマンスがTECLを上回ると思われます。
ただし下のnote記事の通り、TQQQをITバブル崩壊の前から持ち続けたとしたら、未だにITバブル崩壊前のピークを超えられていません。これはTECLでも同じです。
このブログで繰り返し伝えていますが、レバレッジETFのリスクには十分にご注意ください。
考察
今はAIの時代と言われ、XLKやTECLに投資することでその恩恵を得ることが十分期待できると思います。
ただXLKとTECLについて私が感じるのは、
ハイテクのETFなのに「ハイテク」があまり入っていない
という点です。
先述の通り、Amazon, Facebook, Google, Netflix, Teslaは入っていません。
これはデメリットというより、XLK、TECLの個性と言えるでしょう。
AppleとMicrosoftに集中投資をしたい人には向いていると言えます。
パフォーマンス、構成銘柄のバランス、流動性など総合的にはTQQQの方がよいと思います。
一方、サクソバンクでTQQQが購入できなくなったことにより、特定口座やNISA口座で買えるというTECLのメリットが輝くようになりました。
TQQQの代替にTECLを購入するというのは十分妥当な選択肢と言えるのではないでしょうか。
また、TQQQの代替として
TECLをWEBLと組み合わせる
のは1つの方法だと思います。
WEBLについては過去に解説しました。
WEBLにはAmazon, Facebook, Netflix, Googleが含まれています。
TECLと組み合わせると足りない銘柄を補うことができ、バランスがよくなります。
しかもWEBLも特定口座やNISA口座で購入できます。
このように、TECLの特長を生かした投資ができれば理想ではないでしょうか。
参考になれば幸いです。
投資はくれぐれも自己責任で。
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