レバレッジETF

レバレッジETFを売るタイミングと戦略

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

以前、レバレッジETFは暴落時に買うのがよいことについて解説しました。

しかし買うことができても、「いつ売るか」という問題も投資家を悩ませます。個別株もそうですし、レバレッジETFも同じです。

この記事ではレバレッジETFを売るタイミングや戦略について考察しました。

お金が必要になったら売る

まず考えられるのは、

お金が必要になったら売る

ということです。

例えば、他の金融商品に投資したいが手持ちの現金がないなどの場合です。

何も投資目的とは限りません。

例えば、愛する人に贈り物をする、子供の進学に必要なお金を捻出する、老後の生活資金を得るために取り崩すなど、いろいろな場合が考えられます。

これはレバレッジETFに限らずどのような金融商品にも言えることです。

投資は大事ですが、誰でもいつか死が訪れるのですから、それまでにどのように投資商品を処分してお金を使うかも重要だと思います。
(そのまま家族に相続させることもできますが、多額の場合は相続税がかかるので売らなければいけないケースもあるでしょう。)

ところで、

レバレッジのない商品(例えばVOO)とレバレッジETFを持っている場合、どちらを先に処分するか?

と悩む方もいらっしゃるかもしれません。

レバレッジETFの方が経費がかかるので、一般にはレバレッジETFを先に処分するのが合理的と言えます。
ただしそれによりポートフォリオのレバレッジは低下します。

ポートフォリオ全体のレバレッジを下げたくないなら、割合を考えながらVOOとSPXLの両方を処分するのも一案です。

VOOのみを処分した場合、残ったポートフォリオはレバレッジが上がってよりハイリスクハイリターンになる点に注意が必要です。



レバレッジETFのガチホはありか?

「お金が必要になったら売る」というのは理解していただけたと思います。

では、当面お金が必要がなくてさらなる資産拡大を目指す場合はどうでしょうか。

出発点として、以下のような質問を考えます。

レバレッジETFのガチホはありか?

私の考えは以下の通りです。

レバレッジETFは、

  • 少額の場合、あるいは自分のリスク許容度が非常に高い場合はガチホでよい。
  • そうでない場合、ガチホはお勧めしない。

ここで、代表的なレバレッジETFであるSPXL、TECL、TQQQの過去データを見てみましょう。
使うのはおなじみのPortfolio Visualizerで、期間は2010年3月から2021年2月までの11年間です。

11年間で

  • TQQQは約96倍
  • TECLは約52倍
  • SPXLは約19倍

になっています。

これを見て、

読者様

スゲー、こんなに儲かるならガチホしてればいいじゃん。

とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、それは危険な考え方です。

今度は時期を変えて、ITバブル崩壊前からの擬似的なデータを見てみましょう。私のnoteの記事から抜粋します。

以下は、1985年から2020年までのTQQQのデータです。

対数グラフなので分かりづらいかもしれませんが、2020年末時点でも擬似TQQQはITバブル崩壊前のピークを越えることができていません。

ITバブル崩壊時の擬似SOXLのデータについても記事にしました。

SOXLもグラフの通り、ITバブル崩壊前のピークを超えられないどころか、今もはるかにその下を低迷している状況です。

コロナショックの期間中も、直前のピークと比較して、

  • TQQQは約70%
  • SPXLは約77%
  • SOXLは約80%

も下落しているのです!

結果的にはその後相場が上昇してピークを越えることができました。
しかし新型コロナウイルスの流行に終息の兆しが見えない中、力強く相場が回復することを予想できた人がどれくらいいるでしょうか。もっと下がっていた可能性は十分にあるのです。

このように

レバレッジETFをガチホしたら儲かった」は結果論

と言えるでしょう。

したがって私は、一定以上の金額を投資している場合には、レバレッジETFのガチホをお勧めしません。

ガチホしてよいのは先述の通り、投資金額が非常に少ないとか、若くてリスク許容度が非常に高いなどの、限られたケースだと思っています。

補足しますと、以上はレバレッジ3倍の場合です。
レバレッジ2倍であればガチホもありだと考えますし、実際私もQLDを長期保有しています。


売る方法とタイミング

以上のように、レバレッジETFのガチホはお勧めしません。

そのため、

相場の状況を見て売る

ことが必要です。

いくつかのやり方を解説します。

段階的に売る

私の考える原則は以下の通りです。

レバレッジETFは一度に全部売らず、少しずつ売却する

「頭と尻尾はくれてやれ」という格言の通り、底や天井を毎回当てることは誰にもできません。

ある程度含み益が生じたら少しずつ利確するという方法が考えられます。

ただし全部売ってしまうとその後のリターンを逃す恐れもあります。手持ちのレバレッジETFの一部を残すかどうかは状況次第です。

天井付近や下落相場で売る

株価が天井をつけてその後相場が下落する場合、放っておくとレバレッジETFの価格はどんどん下がります。

そういう状況でもレバレッジETFを売ることを検討してよいでしょう。

相場の動向を判断するには、以前の記事で紹介したVIXやVVIX、一目均衡表などが役立つかもしれません。

とはいえ残念ながら、株価はファンダメンタルの影響を受けるので、テクニカルだけでは予想できないことも多いでしょう。

例えば2021年3月には、長期金利上昇を受けてハイテク株を主体に下落しました。

経済情勢を理解するためにも、経済の基本的な知識、最近の大きなニュースは把握しておいた方がいいでしょう。

また相場が読めたとしても、予想が外れる可能性を考え、複数回に分けて売却したほうがよいかもしれません。

「危険な相場」で売る

例えば、記憶に新しいコロナショックです。

全世界で新型コロナウイルスの感染が拡大し、各地でロックダウンや経済活動の麻痺が起きました。サーキットブレーカーが3度も発動されました。手持ちの資産を現金化した人も多かったのではないでしょうか。

こういう株価がどこまで下落するかわからないような「危険な相場」では、兆候を感じた時点で逃げるーーーつまり、早めにレバレッジETFの大半または全部を売却するのが得策と言えるでしょう。

経済危機ではなくても、例えばそれまで上昇相場だったのに突然大陰線が現れたような場合も注意が必要です。
売り圧力が強まっていると考えられ、今後下落するリスクが高い「危険な相場」かもしれません。

ただし危険な相場だと感じて売った結果、それが外れて利益を取り逃がしてしまうケースもあります。

それを防ぐためにレバレッジETFの一部を残すか、あるいは予想が外れたと判断した時点でレバレッジETFを買い戻すのか。
どういう方法をとるにしても、最終的には自己責任です。

逆指値を入れる

相場が読めない場合、逆指値を入れておくのも1つの方法です。

この方法ならあらかじめ利確/損切りする水準を決めておくことができます。
(ただし相場が急変した場合は設定価格からずれて約定してしまいます。)

またトレーリングストップ注文を使えば、利益を確保しつつ、逆指値を入れることができます。

ただしレバレッジETFは変動が激しいので、ある程度の下落幅はとっておいた方がいいでしょう。

例えば「ピークから10%下落したところで売る」という設定だと、すぐにラインに引っかかってしまいます。
レバレッジETFの種類にもよりますが、下落幅は15%とか20%のように、ある程度幅をもたせた方がよいかもしれません。



売らない方がよいケース

逆にレバレッジを売らない方がいいケースについて、私は以下のように考えています。

明らかな上昇トレンドのときは、レバレッジETFを極力売らない

自分の買った銘柄が値上がりすると、値下がりする前に利確したくなるのが人間の性です。私もそうでしたが、初心者は特にその傾向があると言えるでしょう。

しかしそれでは少しの利益で終わってしまいます。レバレッジETFでは特にそうなりがちです。

上昇相場が続く限りレバレッジETFを持ち続け、どこまでも利益を伸ばす。

それがレバレッジETFの理想の使い方だと思います。

段階的に利確するとか、恩株に相当する部分を売るとか、戦略は人それぞれですが、この点は押さえておくとよいでしょう。

トレンドを判断するには、トレンドフォロー系の指標(一目均衡表や移動平均線)を使うのも手ですが、ファンダメンタルも考慮することが重要です。



LECポートフォリオとして運用

さて、下落相場で以下のように2回に分けてレバレッジETFを売ったとします。

この場合、LECポートフォリオが出現します。

LECポートフォリオについてはこちらにまとめましたので、ご覧ください。

LECポートフォリオは現金を含むおかげで、戦略の幅が広がります。

例えば、

  • さらに相場が下落しても評価額の減少を抑えられる
  • 底だと判断した時にナンピンする
  • 上昇に転じたら様子見または買い増し

といった具合です。

ちなみにこれは、私のメイン戦略「レバレッジド・コア・サテライト」のサテライト部分で行っていることでもあります。

レバレッジETF投資家の方は、LECポートフォリオを用いた投資戦略についても押さえておくとよいでしょう。

今回は、レバレッジETFをいつ売るべきかについて考察しました。

日頃から相場を把握して先行きを予想するのは大変なことですが、それによりレバレッジETFの特性を生かし、より大きなリターンを期待することができると思います。

ご自身に無理のない範囲で取り入れてみてはいかがでしょうか。

投資はくれぐれも自己責任で。

皆様の応援が励みになります。
1日1回、クリック(↓)をよろしくお願いします。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 2019年生まれの息子の子育て中。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA