株式投資

「週足RSI<40でレバレッジETF買い」は安全か?

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

以前、オシレーター系のテクニカル指標であるRSIについて解説しました。

RSIがレバレッジETFの売買のタイミング判断に使われるケースもあります。

一例として、

週足RSI<40で全力買いをする

ことを勧める人もいます。

週足RSI<40の代わりに週足RSI<30という人もいます。

確かにRSIは逆張り指標として用いられるので、この使い方自体は妥当と思われます。

では、この戦略は安全なのでしょうか。

2010年以降では

例として、半導体のレバレッジETFであるSOXLを取り上げます。

以下の戦略を検証してみます。

逆張り買い戦略

週足RSI<40になったら、SOXLを買う。

最初のリンク記事で解説したように、RSIにはWilder式とCutler式がありますが、よく用いられるWilder式のRSIを採用します。

なお売るタイミングも重要ですが、ここでは「安く買えるか」だけに焦点を絞って検証したいと思います。

SOXLが販売開始になったのは2010年3月11日なので、そこから2020年末まで検証します。

時期を分けて週足RSIとSOXLのチャートを提示します。

赤丸の部分が週足RSI<40(一部は<30)の位置です。

確かにこれを見ると、週足RSI<40で購入した後のSOXLは上昇傾向にあり、利益が得られそうです。

ただし注意点があります。

2010年以降は株価好調で、長期間に及ぶ経済危機はなかった。

この期間は戦後最長の景気回復期間だったとされています。2018年の株価下落やコロナショックは振り返ればそれほど大規模な危機ではなく、数ヶ月で株価は回復しました。

このように株価が好調な期間だけを見て判断すると、足をすくわれる恐れがあります。



リーマンショックでは

では、2010年以前に同じ逆張り戦略は機能したでしょうか。

残念ながらSOXLには2009年以前のデータがありません。他のレバレッジ3倍ETFも2010年頃に販売開始されているので同じです。

そこで以前作成した擬似SOXLのデータを用います。

1994年以降の擬似SOXLの週足データを抽出し、それを以下のページにある計算用Excelシートに入力すれば週足RSIを算出できます。

検証期間は2007年半ばから2010年始めにかけてで、サブプライムローン問題からリーマンショックという大きな経済危機が発生しました。

こちらがその期間の擬似SOXLと週足RSIのグラフです。

赤丸は「週足RSI<30」となった点です。「週足RSI<40」よりもさらに株価が下落しているので、逆張り買いならより有利になるはずです。

1回目の赤丸は2007年11月23日で、この時の擬似SOXLは3.3ドルでした。

逆張り買いならその後上昇しなくてはいけませんが、擬似SOXLはそこから下落し、2009年3月には0.15ドルまで下がりました。20分の1以下になったことになります。

2回目の赤丸は2008年10月10日で、価格は0.51ドルでした。ここで買った場合、しばらく耐えれば上昇トレンドに乗ることができました。

結果的に2021年にSOXLは40ドルを突破するので、1回目の購入分も持ち続ければ報われたことになります。

しかし少なくとも1回目は、逆張り買いとしては失敗と言わざるを得ません。

なお、SOXLに限った話ではありません。

SPXLやTECL、TQQQなど他のレバレッジETFでも、リーマンショックでは同様の結果になります。

またそれ以前にあったITバブル崩壊でも同じです。



RSIの解釈

このように、リーマンショックではRSIによる逆張り買い戦略が機能しませんでした。

一般に、RSIが高ければ買われすぎ、低ければ売られすぎと判断されます。

しかしRSIは以下のように解釈することもできます。

RSI>50は「強い相場」

RSI<50は「弱い相場」

RSIは、上昇幅と下落幅それぞれの合計から計算されます。RSI>50なら上昇幅が、RSI<50なら下落幅の方が上回るので、上のように解釈できます。

あらためてリーマンショック時のチャートを見てみると、多くの期間で週足RSIが50以下なのがお分かりいただけると思います。

つまりこの期間は2年近く「弱い相場」だったということになります。

そしてこのように停滞する相場ではRSIによる逆張り買い戦略が機能しない可能性もあるということです。

元指数の下落に加えて逓減もあるため、レバレッジETFにとって長期の停滞相場は非常に不利です。

「週足RSI<40」で買っていいのは、

株価は上昇トレンドを維持しているが、何らかの要因で一時的に下落している場合

だと思います。

RSIを売買判断に用いるならその点をご理解ください。

なお、週足RSI>70で売る」といった売りの逆張り戦略でも同じことが言えます。

RSIが50以上なので相場が強く、買われすぎだと判断して売却してもさらに上昇することは珍しくありません。

ただこちらの場合は一定の利確ができるため、逆張り買いに比べれば悪くないでしょう。



戦略をどう用いるか

以上のように、週足RSIによる逆張り買い戦略が機能しない場合があると解説しました。

それでもその戦略をすでに使っている人、これから使いたいという人もいるでしょう。

その場合、私は以下のいずれかをお勧めします。

  1. 戦略に全資金を投じない
  2. 週足RSI以外の材料も用いて判断する。
  3. 今後はリーマンショック級の下落はないと信じる。

①ですが、全資金を投じなければ戦略が失敗しても資産に大きな影響はありません。他の投資で挽回できる可能性は十分にあります。本業収入で追加入金ができるならさらに安全です。

②ですが、ファンダメンタルや他のテクニカルと合わせて判断するのも方法です。週足RSI<40となっても、今後も下落が続くと判断して買いを見合わせるといったことができます。ニュースやTwitterなどで最低限の経済状況を得ておくと役に立つでしょう。

また③はややギャンブル的要素がありますが、自分が投資する間はリーマンショック級の経済危機は起こらないと信じて戦略に従うのも手です。リーマンショックをきっかけに規制が作られましたし、現在は市場の不安定化を防げるかもしれません。投資に成功して財産を築けたら勝ち逃げ、つまりより安全な資産に切り替えればよいのです。

参考になれば幸いです。

投資はくれぐれも自己責任で。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 2019年生まれの息子の子育て中。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

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