大学病院で臨床や教育、研究に関わっています。
今年も入試シーズンがやってきました。
すでに国立大学の前期の二次試験は終了していて、春から多くの大学1年生が誕生します。
昨年、東大入試の理系数学を150分の時間制限ありで解いてみました。
残念ながら半分とれたかどうかという結果で、悔しい思いをしました。
あれから1年経ちます。今回も150分の時間制限ありで解いてみました。
せめて半分は取ってやろうとガチで解いた結果、2完でき、昨年より良い点数を取れました。十分力を出し切ることができて良かったです。
問題
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東大入試数学の過去問のあるサイトへのリンクを貼っておきます。
http://server-test.net/math/tokyo/
2022年3月4日現在、大手予備校のサイトにも問題と解答が掲載されているのでそちらから見ることもできます。
答案と自己採点
今回は去年と違って大学の数学風の経過報告をする余裕がなかったので、私の答案を示しながら各問題についてコメントします。河合塾のサイトを参考に自己採点してみました。
第1問

これは標準的な積分問題であり、合格するためには確実に完答したいところです。
つまづくとすれば1/cos(t)の定積分ですが、やり方を覚えていましたのでできました。この答案なら20点満点だと思います。
数学では1問完答できれば精神的に落ち着き、他の問題にも余裕を持って取り組めます。
第2問

これは難問でした。
(1)は簡単でしたが、(2)は粘ってもわからず捨てることにしました。
解答を見ましたが解けなくても仕方がない問題であり、合否には影響しないと思います。採点は(1)のみの5点としました。
第3問


(1)は簡単でした。簡単すぎて逆に何か見落としていないか不安になったぐらいです。
(2)ですが、「十分に離れている」という条件に頭がこんがらがり、無駄が多い答案になってしまいました(④⑤⑥の部分)。(2)の途中で他の問題に移りましたが、その後で戻ってきて続きを解きました。
他の問題は諦めて残り時間のほとんどをこの問題に投入し、なんとか正解にたどり着きました。ただ全く自信はなかったです。がむしゃらに問題に取り組んで根性で答えを導いたという感じです。
答案に不備はないと思うので20点満点と採点しました。
第4問

(1)は、mが十分大きければ任意の点Pで成立することを示せばよいです。
問題は(2)です。答えは合っていましたが、原点を通ることが必要条件であることを示せていません。3つの解をα、β、γのようにおいて地道に計算しなければならなかったようです。
どの程度部分点がもらえるかわかりませんが、(1)は10点、(2)は2点で合計12点と採点しました。
第5問

z = tで切った断面図を考えて、tで積分して体積を求めるというよくあるタイプの問題です。
答えが合っていたので完答だと喜んだのですが、解答を見て途中の思考に漏れに気づきました。Mが描く円の中に(0, 0, t)が含まれる場合を考えていませんでした。
本番でどのくらい減点されるかわかりませんが、5点くらい減点されると考え点数を15点としました。
第6問


これは難問でした。表が出る回数は3の倍数ということはわかりましたが、そこから先は処理できませんでした。
解けなくても仕方がない問題だと思います。採点は部分点で3点としました。
感想
自己採点では2完+1問ほぼ完答+1半+部分点で、合計75点でした。
東大の入試数学は採点が甘く部分点をもらいやすいので、80点くらいになるかもしれません。
自分としては力を出し切れたと思います。去年は「もう少し答案を埋められたはず」と思う問題がありましたが、今年は「解けるはずなのに解けなかった」という問題は1問もありませんでした。むしろ第3問は途中までしか解けなかった可能性もあり、その場合70点を切っていたでしょう。結果には十分満足しています。
ところで、東大入試数学を解く上で大事なことは何でしょうか。
もちろん地道な勉強の積み重ねは必要です。しかし私はそれに加え、
- 絶対に解いてやるという強い意志
- 解けなくても部分点を取ろうと食らいつくこと
も必要だと思います。
私にとって第3問はそんな問題でした。途中で投げ出したくなりましたが、制限時間ぎりぎりまで頑張ろうと決めて取り組んだ結果、解くことができたのです。
東大入試では合格ライン付近で1点の間に何十人もがひしめきます。わずか0.1点足りなくても不合格になるのです。
決して精神論が好きなわけではありませんが、合格を目指すにはそういう「気持ち」も大事であり、時に合否をひっくり返すほどの効果がある気がします。
参考になれば幸いです。
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