投資戦略「レバレッジド・コア・サテライト」を運用しています。
「レバレッジド・コア・サテライト」はこちらで解説しています。
コアの部分は、ナスダック100の2倍レバレッジETFであるQLDです。
私は一般的なレバレッジETFのレバレッジ3倍は高すぎであり、多くの人にとって適正なレバレッジはせいぜい1.5〜2倍くらいだと考えています。
ではナスダック100ではなくS&P 500に2倍のレバレッジをかけたい場合はどうすればいいでしょうか。
今回はそれが可能となる投資商品や方法を紹介します。
- SSO(またはSPUU)
- iFreeレバレッジ S&P 500
- SPXLを用いる
目次 (クリックでジャンプ)
SSO
まずはS&P 500の2倍レバレッジETFであるSSOを紹介します。
基本情報
正式名称は以下の通りです。
ProShares社が販売しているレバレッジETFです。
ちなみにこの会社はQLDやTQQQを含め多数のレバレッジETFを販売しています。
日々の値動きがS&P 500指数の2倍となるように設計されています。したがって、S&P 500指数の上位企業(MicrosoftやAppleなど)のパフォーマンスに影響されやすいです。
設定日
2006年6月19日と、レバレッジETFの中では歴史は長いです。
配当利回り
毎年2〜4回分配金を出していますが利回りはごくわずかです。レバレッジETFでありキャピタルゲイン目的で持つ商品です。
経費率
0.91%と、レバレッジETFにしては良心的です。
流動性
レバレッジETFで重要な流動性は十分と言えるでしょう。
SPUU
SPUUもS&P 500の2倍レバレッジETFです。
正式名称はディレクション・デイリー・S&P 500・ブル・2×・シェアーズであり、多くのレバレッジETFを販売しているDirexion社の商品です。
販売開始日はSSOより後の2014年5月28日ですが、経費率は0.64%とレバレッジETFにしては格安です。ただしSSOより資産総額や出来高が圧倒的に低いのが難点です。
レバレッジETFでは特に流動性が重要であり、私ならSSOに投資します。SPUUの紹介はこのくらいにとどめておきます。
iFreeレバレッジ S&P 500
大和アセットマネジメントが販売している投資信託です。
詳細はこちらのページをご覧ください。
という商品です。
設定開始日:2018年8月31日
購入時手数料:販売会社が定める率で上限2.2%だが、ネット証券では無料
年間の経費率:0.99%(税込)
純資産総額:約44.92億円(2021年2月12日現在)
この商品もiFreeレバレッジNASDAQ100と同じく、為替ヘッジありです。
これはメリットになる場合もデメリットになる場合もあります。
SSOとiFreeレバレッジ S&P 500の比較
パフォーマンス
SSOとiFreeレバレッジ S&P 500のパフォーマンスを、後者が販売された2018年8月31日から2021年1月29日までで比較します。
為替ヘッジありなので、iFreeレバレッジS&P 500は円のまま、QLDはドルのまま比較します。
アメリカも日本もそれぞれの祝日には休場するので、日付を合わせてチャートを作成すると以下のようになります。

(いずれも開始日を1とする)
iFreeレバレッジS&P 500の方が1日遅れで動きますが、両者は極めて近い動きをすることがわかります。
流動性
iFreeレバレッジNASDAQ100の記事に書いた通り、投資信託は1日に1度決まる価格でしか購入や売却ができません。一方ETFはリアルタイムで価格が決まり、注文も成行、指値、逆指値と好きなようにできます。
時価総額もSSOの方が圧倒的に高く、平均出来高も十分なレベルです。
このように流動性はSSOの圧勝です。
為替の影響
iFreeレバレッジ S&P 500は為替ヘッジありなので為替変動の影響を軽減できますが、SSOはドル建てなので為替の影響をもろにうけます。
どちらがいいかはケースバイケースです。
特定口座で買えるか
iFreeレバレッジ S&P500は国内証券会社の特定口座で購入できます。
一方SSOは国内の大手証券会社(楽天証券、SBI証券、マネックス証券)では買えず、サクソバンクなどの外国証券会社の一般口座で買うしかありません。
SPXLを用いる
レバレッジ計算については以下の記事で解説しています。
これを踏まえると、S&P 500に2倍のレバレッジをかけるには以下のようなポートフォリオがあります。

放置するとレバレッジが2倍からずれていくので、3ヶ月ごとにリバランスします(過去のデータではこの頻度で最も高いリターンが期待できます)。
3つのポートフォリオのパフォーマンスを2011年から2020年で比べてみましょう。比較用にS&P 500も入れます。

3つはほぼ同じ動きをすることがわかります。
リバランスの手間はかかりますが、SPXLなら特定口座で取引ができます。また為替ヘッジなしの投資ができます。
レバレッジ2倍を実現する1つの方法として現実的といえます。
終わりに
以上、S&P500に2倍のレバレッジをかける方法を紹介しました。
SSOはややハードルが高いですが、SPXLを用いる方法もあります。為替ヘッジありでよければiFreeレバレッジ S&P 500も検討に値するでしょう。
最後に、S&P 500に2倍のレバレッジをかけた投資を行うべきかどうかについての私見です。
2021年現在のハイテクやAIの勢いを見ると、今後10年は市場平均を圧倒するように感じられます。ナスダック100への投資が妥当に思えて、S&P 500は見劣りしてしまうかもしれません。
ただ、ハイテクの成長がいつまで続くのかは誰にもわかりません。
歴史を見れば新たな産業の振興と衰退が繰り返されてきたことがわかります。どれだけ栄華を極めた企業でも、いずれ市場平均に回帰する、場合によっては下回る可能性すらあるのです。今流行りのハイテクやAIですらその運命からは逃れられないかもしれません。
ナスダック100に成長の陰りが見えた時、私はアメリカの市場平均とも言えるS&P 500に乗り換えることを考えるでしょう。
そしてその頃も資本主義が健在であれば、S&P 500への投資は投資家に利益をもたらしてくれるはずです。
投資対象に固執するのではなく、時代の流れを見ながら変えていくという柔軟さも必要だと思う次第です。
投資はくれぐれも自己責任で。
こんな記事も書いています。
iFreeレバレッジNASDAQ100を積み立てるツミレバという投資法があります。iFreeレバレッジ S&P 500を積み立てても将来大きなリターンが期待できそうです。
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