株式投資

TQQQがQQQに勝つには、QQQは年率何%の成長が必要か?

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

先日、レバナスのリターンがQQQに勝つために必要なQQQの年率リターンの記事を書きました。

今回は3倍レバレッジETFであるTQQQのリターンが、QQQに勝つための条件を求めたいと思います。

TQQQの1日の変動率については以下の記事に書きました。

この式を用います。

なお、この記事の内容はTQQQ以外の3倍レバレッジETFにも適応できると思います。

なぜなら、他の3倍レバレッジETFの値動きは固定コスト(TQQQでは2.05%)の違いはあっても、同じ仕組みと推測されるからです。SPXLの式についてはかきすけ先生のnoteの記事をご覧ください。他の3倍レバレッジETF(たとえばWEBL)でも同様だと思います。

また記事の最後には一般化し、レバレッジL倍の場合の条件式についても書きました。

計算式の探索

流れは下の記事にあるレバナスでの手法と同じなので、要点のみ記します。

1、適切な(μ、σ)を選び、ブラック・ショールズモデルを元に10年 (= 2500日) 分の仮想QQQのデータを得る。

2、以下のように変形したTQQQとQQQの日次変動率の関係式を用い、仮想TQQQのデータを得る。

(QQQの経費は無視します。)

3、仮想QQQと仮想TQQQのリターンを比較し、後者が前者に勝つようなr の条件を探索する。

rは、「QQQの年率平均リターン(配当込み)を自然対数に換算した数値」です。

1から3のプロセスを繰り返すことにより、以下の条件式を見つけました。

試しに、b = 0.01, σ = 0.14の場合のQQQの必要年率平均リターンを求めてみましょう。なおこのσは、QQQが安定して上昇した2011年から2020年までの10年間のリスクに近い数値です。

計算すると

r > 0.04965

となるので、これを%に換算すると、

e^0.04965 ≒ 1.0509

よって、求めるリターンは5.1%(小数第二位を切り上げ)

よってσ= 0.14の場合、QQQの年率平均リターンが5.1%以上であれば、TQQQのリターンはQQQを上回ることになります。

実際のシミュレーションで出てきた、10年間のQQQとTQQQのグラフの例を挙げます。

QQQの年率平均リターンが5.1%付近では、TQQQとQQQのリターンはほぼ等しくなります。それより高ければTQQQが勝ち、それより低ければTQQQが負けます。



具体的なQQQの必要成長率

上の式を用いて計算すると、σとrの関係は表のようになります。rに対応する%換算リターンも合わせて表示します。なお、b = 0.01とします。

前回の記事でも書きましたが、目安は以下の通りです。

σ = 0.14 (安定相場): 2011年から2020年までのナスダック100指数のリスクと同程度

σ = 0.20 (平均的相場): 1985年から2021年9月までのナスダック100指数のリスクと同程度

σ = 0.25 (不安定相場): 2001年からリーマンショック後までのナスダック100指数と同程度

比較のため、レバナスがQQQを上回るために必要なリターンの表も示します。

ここから、TQQQのリターンがQQQに勝つ条件について以下のことがわかります。

・安定相場では、必要なQQQの成長率はレバナスの場合と大差ない。

・しかし相場のボラティリティが高くなるほど、レバナスの場合より高いQQQの成長率が必要である。

やはりTQQQには相応のリスクがあると言えるでしょう。

リスクを想定した上で、QQQのリターンが上の表の数字以上であるという強い確信があるなら別ですが、そうでなければレバレッジ3倍は高すぎます。

弊ブログでもたびたび述べていますが、よほどリスク許容度が高くない限り、レバレッジは2倍程度が無難だと思います。



レバレッジL倍の場合の条件式(一般化)

前回と今回の記事ではシミュレーションにより、レバレッジ2倍または3倍が1倍に勝つための条件式を探索しました。

一般化して、レバレッジL倍の場合はどうでしょうか。

実はモンテカルロ法を行わなくても、リターンの中央値を比較することで式を導くことができます(中央値だけを見るので、シミュレーションの個別の結果全てに当てはまることの証明にはなりませんが)。

リターンの中央値を表す式についてはこちらの記事に書きました。

条件式の導出は以下のようになります。

この式を使うことで、レバナスとTQQQの条件式を下のように求められます。

シミュレーションと同じ式が得られました。

参考になれば幸いです。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 息子が二人います。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

POSTED COMMENT

  1. a より:

    σ=0.2と仮定した場合、換算リターンが、

    0-6.9%だと予想する場合はQQQ
    6.9%-9.9%だと予想する場合はQLD
    9.9%以上だと予想する場合はQQQ

    を買うべき、ということですね。
    (9.9は、6.9+2(x-6.9)=8.4+3(x-8.4)の解です)

    QLDが最適になる範囲が思っていたより広くてびっくりしました!レバレッジETFでNASDAQ100のL倍レバレッジを構成する場合、コストの観点でQQQとTQQQのみを使うべきだと考えていましたが、それは間違いで、QLDを使う利点も明確にあるんですね。

    • カガミル より:

      9.9%以上だと予想する場合はTQQQを買うべき、ですね。
      コストについてですが、レバレッジをちょうど2倍にするならQLD 100%が最善です。2倍未満ならTQQQとQQQで組めばいいと思います。

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