株式投資

レバナスがQQQに勝つ条件

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

タイトルにある「レバナス」は、ナスダック100指数に2倍のレバレッジをかけたETF、投資信託全般を含むとお考えください。

具体的にはQLD、大和レバナス、楽天レバナスが該当します。これらのリターンはほぼ同じと考えられるためです。

レバレッジが2倍でもリターンが2倍になるとは限らないことは、レバナスに投資している方ならご存知だと思います。

レバナスをはじめとするレバレッジETFは、減価(逓減)によりリターンがじわじわ削られていきます。その結果、レバナスのリターンがQQQに負けるということは十分にありうるのです。

以下のことは感覚的にご理解いただけるのではないでしょうか。

QQQの成長が高い方が、レバナスのリターンが高くなることが期待できる。

当然レバナス投資家の方は、レバナスがQQQを上回ると期待しているから投資をするのだと思います。

ここで、疑問が生じます。

QQQの1年あたりの成長率が何%あれば、レバナスのリターンはQQQに勝てるのか?

この答えがわかれば投資判断の際に役立つので、本記事で検証しました。

条件の導出

用いるのは、こちらで解説したL倍レバレッジETFのリターンを表す式です。この式はL ≧ 1で成立します。

両辺の自然対数を取り、以下のように書くこともできます。

レバナスの配当込みリターンはΡ(2)またはρ(2)、QQQの配当込みリターンはΡ(1)またはρ(1)と表せます。

レバナスのリターンがQQQを上回る条件は以下のように表記できます。

①の式を解きます。

これにより、条件を求めることができました。

なお、QQQの経費率は0.2%ですがここでは無視してc1 = 0としました。

c2は、過去記事で検証したレバナスの1日の変動率を踏まえて設定しています。c2 = 0.0165でもよいのですが、端数は無視しても結果は大差ないため0.016としました。

②の式を解くと、以下のようになります。

これは①の式から導かれた条件の両辺の自然対数を取ったものであり、意味するところは全く同じです。

まとめると条件は以下の通りです。



シミュレーションデータでの検証

QQQとレバナスの仮想データを作成し、この条件が成立するかを確かめてみましょう。

シミュレーションのやり方はこの記事に書いています。

ただし、レバナスのデータを作成する際は単純にNASDAQ100の日々の動きを2倍にするだけではなく、金利と経費を差し引く必要があります。

今後は短期金利は1%くらいだと考え、b = 0.01に設定します。金利は一定ではありませんが、投資期間中は平均これくらいだろうという数値に設定してください。

σ = 0.14とします。これは、相場が安定している期間のある1年のボラティリティに近い数値です。

rの条件は以下のようになります。

リターンを%で表すと、e^0.0456 ≒ 1.0466…より、約4.7%となります。

よってσ = 0.14の場合、QQQの年率平均リターンは4.7%以上あればよいことになります。

実際のシミュレーションで出てきた、10年間のQQQとレバナスのグラフの例を挙げます。

QQQの年率平均リターンが4.7%付近では、QQQとレバナスのリターンはほぼ等しくなっています。それより大きければレバナスの勝ち、小さければレバナスが負けます。

パラメータを変えてシミュレーションを繰り返しましたが、いずれの場合もレバナスがQQQに勝つ条件が成立していることがわかりました。



具体的なQQQの必要リターン

上の式を用いて計算すると、σとrの関係は表のようになります。rに対応する%換算リターンも合わせて表示します。なお、b = 0.01とします。

σの求め方は過去記事で解説しました。

2017年のNASDAQ100はσ ≒ 0.10でしたが、これは相場が極めて安定していた例外的な状況です。σ = 0.10以下になることはめったにないとお考えください。

σ = 0.16は2010年代のNASDAQ100のように比較的安定した相場のボラティリティとお考えください。この場合は5.3%以上必要です。

σ = 0.20は、S&P 500の長期的なボラティリティに近い数値です。この場合は6.8%以上必要です。

σ = 0.27は、リーマンショックをはさんだ数年のQQQのボラティリティに近く、やや不安定な相場の数値と言えるでしょう。この場合は10.4%以上必要です。

2008年のように、単年度で見ればσが0.4以上となることもあります。しかし株価が長期的に右肩上がりならいずれσは低下するので、長期投資をするなら経済危機の前後期間も含めてσを想定しても良いでしょう。そう考え、上の表ではσは0.3までとしました。

このようにσが大きくなるとその2乗に比例してrが大きくなり、QQQの必要リターンはどんどん上昇します。

もちろんこの先数年〜数十年のQQQのリスクはわかりませんが、過去データを元にσを決めれば、必要なQQQの成長率も推定できます。

また今は低金利ですが、今後金利が上昇しbが大きくなれば、QQQにはさらに高い成長率が求められることに注意が必要です。

以上のように、

QQQの年率平均リターンが一定の水準に達しなければ、レバナスに投資価値はない。

レバナス投資家の皆様、これから投資を考えている皆様は、QQQが「一定の水準」以上に成長するとお考えでしょうか。

そう信じているなら、QQQを上回ることが期待できるレバナスを買うもよし。確信が持てなければ、レバナスではなくQQQか全米株/全世界株のインデックスを買うもよし。

この記事を1つの判断材料にしてみてはいかがでしょうか。

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