株式投資

レバナスはレンジ相場でそれほど減価しない

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

レバナス(iFreeレバレッジNASDAQ100)は大人気の投資信託です。

さて、レバレッジETFは減価(逓減)するので長期投資に向かないと思っている方もいらっしゃるでしょう。

こういう減価のシミュレーションは多くの場合、レバレッジ3倍で行われます。

ではレバレッジが2倍のレバナスは、レンジ相場でどのくらい逓減するのでしょうか。レンジ相場が数年続いても耐えられるでしょうか。

本記事で検証しました。

1年間のレンジ相場を抽出

以前noteの記事で、TQQQがレンジ相場でどのくらい減価するかを調べました。

この記事でレンジ相場を以下のように定義しました。

「レンジ相場」の定義

期日Aと期日BのQQQの終値がほぼ同じかつ、期日Aから期日Bまでの期間が1年の場合、その期間を「レンジ相場」とする。

以下では期日Aを「初日」、期日Bを「最終日」と表記します。

初日から最終日までは1年きっかりでなくてもかまいません。米国市場が開くのが1年のうち約250日なので、その日数前後であれば許容します。

noteの記事では7つのレンジ相場を取り上げましたが、そのうち重ならない以下の期間を選びました。

検証する「レンジ相場」

期間①:2010年12月21日 – 2011年12月16日

期間②:2012年4月18日 – 2013年4月18日

期間③:2014年8月26日 – 2015年8月24日

期間④:2015年12月4日 – 2016年12月1日

期間⑤:2018年3月12日 – 2019年3月11日

期間⑥:2019年4月4日 – 2020年4月1日

たとえば期間①のグラフは下のようになります。

(初日の価格を1とする)

QQQ価格は上下変動を繰り返し、最終日には初日とほぼ同じに戻っています。

説明の都合上、「上昇幅」「下落幅」を以下のように定義します。

上昇幅
期間中の最高値が、初日から何%上昇しているか

下落幅
期間中の最低値が、初日から何%下落しているか

レバナスの代替として、同じくナスダック100指数に2倍のレバレッジをかけたQLDの値動きを見ます。QLDについてはこちらで解説しています。

1年間のレンジ相場において、QLDとTQQQの

初日と比較した、最終日における下落率(%)

「減価」とします。

上昇幅や下落幅が大きいほど、また上下変動の回数が大きいほど、減価が大きくなることが予想されます。



各レンジ相場におけるレバナスの下落率

それでは上の6つのレンジ相場で、QLDとTQQQの下落率を見てみましょう。

期間①:2010年12月21日 – 2011年12月16日

QQQ, QLD, TQQQの値動きは以下のグラフのようになります。

(QQQ, QLD, TQQQとも初日の価格を1として比較)

最終日、QQQは初日とほぼ同じですが、QLDとTQQQは下落しているのがわかります。

上昇幅と下落幅、この期間における減価は以下の通りです。

上昇幅 +8.6%, 下落幅 -8.9%

QLDの減価 -4.8%

TQQQの減価 -14.4%

上下への振れ幅はそれほど大きくなかったのですが、上下変動の回数が多かったためかそこそこ減価しています。

それでもQLDの減価はTQQQよりだいぶ小さいことがわかります。

期間②:2012年4月18日 – 2013年4月18日

上昇幅 +5.7%, 下落幅 -9.3%

QLD +0.6%

TQQQ -2.0%

レンジ相場でしたがQLDは下落せず、わずかに上昇してます。

(なおQQQは同期間で+0.8%とわずかに上昇)

これは上下変動の振れ幅や回数が少なかったためと考えられます。

期間③:2014年8月26日 – 2015年8月24日

上昇幅 +14.6%, 下落幅 -7.7%

QLD -3.3%

TQQQ -8.2%

期間④:2015年12月4日 – 2016年12月1日

上昇幅 +3.8%, 下落幅 -16.3%

QLD -1.5%

TQQQ -5.7%

期間⑤:2018年3月12日 – 2019年3月11日

この期間にはクリスマスショック(2018年後半の株価下落)が含まれます。

上昇幅 +7.3%, 下落幅 -17.6%

QLD -5.7%

TQQQ -16.0%

上下への振れ幅が大きかった影響か、減価も大きめです。

期間⑥:2019年4月4日 – 2020年4月1日

記憶に新しいコロナショックを挟んだ期間です。

上昇幅 +29.0%, 下落幅 -7.8%

QLD -12.6%

TQQQ -31.0%

コロナショックによりQQQの上下変動はレンジ相場①から⑥の中で最大であり、減価も最大となりました。



レンジ相場が続いた場合

1年間の減価

以上の検証から、QLDの減価の部分を抜き出します。

レンジ相場でのQLDの減価

期間① -4.8%

期間② +0.6%

期間③ -3.3%

期間④ -1.5%

期間⑤ -5.7%

期間⑥ -12.6%

このように、同じ1年間のレンジ相場でも減価はまちまちでした。上下への振れ幅、変動の回数などによって異なる結果になったと考えられます。

またQLDの減価はTQQQの2分の1から3分の1程度と相対的に小さいことがわかりました。

最大はコロナショックを含む期間⑥で10%以上ですが、毎年この程度の減価が蓄積するとは考えにくいです。

では、レンジ相場が5年や10年続いた場合のQLD(レバナス)の減価を概算するにはどうすればよいでしょうか。

1年間のレンジ相場での平均的な減価を求め、それを年数分複利でかけあわせる

とするのが妥当なので、以下で行います。

コロナショックを含む場合

まずはコロナショックを含む場合です。

ここで1年間の減価を期間①から⑥の算術平均、つまり

(-4.8 +0.6 -3.3 -1.5 -5.7 -12.6) ÷ 6 = -4.6

より-4.6%と求めても悪くないのですが、より正確には以下のようになります。

期間①で、減価が-4.8%ということは、QQQの価格が変わらないのにQLDの価格が0.952倍になったという意味です。

期間①から⑥までを連続して受けた場合、QLD価格は同様に複利計算を繰り返すので、

0.952 × 1.006 × 0.967 × 0.985 × 0.943 × 0.874

≒ 0.752

倍となるので、6年で

1 – 0.752 = 0.248

つまり24.8%減価することになります。

1年あたりでは

(0.752の6乗根) ≒ 0.954

倍となります。よって、1年あたりの減価は

1 – 0.954 = 0.046

より4.6%となります。

幅をもたせて4-5%としましょう。

1年間QQQがレンジ相場だった場合、レバナスは4-5%減価する(コロナショックの期間も含めた推定)

コロナショック を除外する場合

コロナショックは経済危機であり、その前後でQQQの価格が同じだからといって「レンジ相場」と表現するのは不適切だという意見もあるかもしれません。その場合、期間⑥を除外して計算しましょう。

計算は同様なので短縮して書きますと、

1 – ((0.952 × 1.006 × 0.967 × 0.985 × 0.943)の5乗根)

≒ 0.030

より1年あたりの減価は3.0%となります。

1年間QQQがレンジ相場だった場合、レバナスは約3%減価する(コロナショックの期間を除外した推定)

複数年での減価

1年間レンジ相場が続いた場合のレバナスの減価を上記の4.6%または3.0%として、複数年での減価を計算してみましょう。

4.6%とした場合、レバナスは1年で0.954倍になります。5年または10年レンジ相場が続いた場合の減価は複利計算により

5年: 1 – 0.954^5 ≒ 0.210

10年: 1- 0.954^10 ≒ 0.376

よって、5年で約21%、10年で約37.6%となります。

3.0%を採用した場合、5年または10年では

5年: 1 – 0.97^5 ≒ 0.141

10年:1 – 0.97^10 ≒ 0.263

よって、5年で約14.1%、10年で約26.3%減価することになります。



終わりに

以上、過去のQQQとQLDのデータを元に、レバナスがレンジ相場でどの程度減価するかを推定しました。

個人的には、レバレッジ2倍なら思ったほど減価しないという印象です。

1年で4-5%か3%かは、ご自身の考えに基づき好きな方を採用してください。どちらを採用するとしても、減価がこれくらいにとどまるのであれば、レバナスを保有して数年レンジ相場が続いても耐えられるのではないでしょうか。

その後ナスダック100指数が大きく成長すれば、減価を吹き飛ばすだけのレバナスの爆発力も期待できます。

なお、レバナスのパフォーマンスは金利の影響受けます。これは、借金をしてナスダック100の先物を売買しているからです。

金利が上昇すればレバナスのパフォーマンスは全体的に下がるので、レンジ相場における減価も大きくなる点は注意してください。

Twitterを見ていると、レバナスを長期間ガチホする予定の人が多い印象です。そういう方々の参考になれば幸いです。

投資はくれぐれも自己責任で。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 息子が二人います。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

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