株式投資

レバナスと「CFDでNASDAQ100に2倍のレバレッジ」のリターン比較の具体例

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

以前の記事で、レバナスと「CFDでNASDAQ100に2倍のレバレッジ」のリターンを比較し、勝敗についての条件を導きました。

条件はこちらです。

今回はその式に具体的な数値を代入することで、どのような場合にCFDがレバナスに勝つのか(またはその逆)を検証したいと思います。

以下では見やすいよう、上のⅰ) を「条件1」ⅱ) を「条件2」と表記します。

条件1が成立するケース

以前の記事にも書きましたが、サクソバンク証券では株式指数CFD買いの金利は1年あたり

銀行間金利 + 2.5%

となっています。他の多くの証券会社でもCFD金利は同程度です。

GMOクリック証券は例外であり、後述します。

ここでは銀行間金利を0%とします。CFD買いの金利は2.5%になるので、条件式において

B = 0.025

とします。

例として、2014年のQQQを挙げます。

Portfolio Visualizerによると、

またFREDのサイトにある米国3ヶ月債の利回りの月ごとのデータを平均すると、b = 0.0003となります。

σの計算方法は以下の記事で解説していて、計算するとσ = 0.139となります。

これらを条件1の式の右辺に代入すると

1/2 × (0.139^2 + 0.0003 +0.016)

≒ 0.0178 < 0.025

となるので、条件1が成立していることがわかります。



ではこの場合に本当にレバナスがCFDに勝つのか、実際のデータでシミュレーションをしてみましょう。

シミュレーション

2013年12月末〜2014年12月末まで以下の投資をする。

  1. 最初にCFDでNASDAQ100に2倍のレバレッジをかけてホールドし続ける
  2. レバナス(QLDで代用)

②は①に勝つか?

なお Portfolio Visualizerによると2014年のQQQの分配金利回りは1.66%であり、これも考慮します。

NASDAQ100 CFDは指数のNASDAQ100に完全に連動することにしますが、年2.5%の経費がかかるため分配金利回りと相殺して1年で0.84%価格が低下すると考えます。その分は日割りにして(1年 = 250日として、1日あたり1/250ずつ)CFDの価格から差し引きます。

このように考えて作成した「CFDでNASDAQ100に2倍のレバレッジ」のリターンと、現実のQLD(配当込み)のデータをグラフにすると以下のようになります。

レバナスのリターンはこの期間中ほぼ一貫してCFDを上回ります。

最終日での評価額は

CFD +35.1%

レバナス +37.6%

となり、レバナスの勝ちです。

以前の記事で、投資期間がT年の場合のレバナスとCFDのリターンを表す式を紹介しました。

レバナスのリターンは

CFDについては

このシミュレーションは期間1年なのでT = 1で、QQQの2014年の配当込みリターンRT = 1.1918です。この式を用いて計算すると、2014年12月末時点でのデータは

CFD 2 × 1.1918 × e^(-0.025) -1 ≒ 1.325倍(+32.5%)

レバナス 1.371倍(+37.1%)

となります。多少の誤差は出てしまいますが、やはりレバナスの方がリターンが高いという点は一致します。

意外に思われるかもしれませんが、条件1が成立するなら、NASDAQ100のリターンがどうであってもCFDはレバナスに勝つことができません。



条件2が成立するケース

CFD金利の設定

条件2では条件1に比べると、他のパラメータごとに色々なケースを考えなければなりません。

CFDの金利が低い場合、条件2が成立しやすくなります。

ここではGMOクリック証券を想定します。

GMOクリック証券ではNASDAQ100 CFDのポジションを持った場合、毎日金利が引かれるということはありません。代わりに、配当金と金利をまとめた価格調整額というものがあります。

2022年1月10日現在、米国NQ100(NASDAQ100に対応するCFD)の価格調整金はこのようになっています。

過去数年を見ると、マイナスの年が多いですが、たまにプラスになることもあります。

ちなみに米国NQ100 1枚あたりの金額は、NASDAQ100の数値をドル換算したものとほぼ同じです。NASDAQ100が15000ポイントで1ドル = 115円なら、米国NQ100 1枚は172万5000円となります。そして取引するにはその10分の1の証拠金が必要です。

NASDAQ100の価格と配当、米ドル円の為替などをもとに、年のCFDの金利を概算してみました。

2018年や2019年は、2%程度金利がかかっているようであり、決して低くはありません。しかし価格調整額がプラスとなっている2020年と2021年は、計算上の金利は1%に満たないと判断しました。

今後のことはわかりませんが、今GMOクリック証券でCFDを買えば

B = 0.01

で済むと仮定し、この前提で話を進めます。



投資期間Tによる場合分け

投資期間Tは、以下の3種類の場合を検証します。

3ヶ月(T = 0.25

1年(T = 1

10年(T = 10

これは、レバナスのリターンが複利でCFDのリターンが単利という違いにより、期間Tの関与が大きいからです。

σ = 0.20のケース(平均的相場)

σ = 0.20の場合で検証します。これは、過去数十年のS&P 500のσの平均に近い数値です。

また、ゼロ金利でb = 0とします。

これらを条件2の右辺に代入すると

1/2 × (0.2^2 + 0 + 0.016)

= 0.028 > 0.025

なので、条件2が成立します。

投資期間が3ヶ月の場合

まずは投資期間が3ヶ月、つまりT = 0.25の場合です。αとβを計算すると、

α ≒ 0.916

β ≒ 1.107

となるので、

3ヶ月のQQQのリターンが

-8.4%〜+10.7%の範囲ならCFDが勝ち、

-8.4%以下または10.7%以上ならレバナスが勝つ。

具体例をチャートで見てみましょう。

2019年5月30日から8月28日の3ヶ月(93日)間で、レバナスと「CFDでNASDAQ100に2倍のレバレッジ」を比較します。

この間のNASDAQ100のσ = 0.198 ≒ 0.2で、リターンは+4.7%と「-8.4%〜+10.7%の範囲」なので、CFDが勝つはずです。

2019年のQQQの分配利回りは1.03%なので、NASDAQ 100の利回りはCFDの金利と相殺されるものとします。このようにしてCFDのリターンを現実のレバナス(QLD)と比較したのが下のグラフです。

CFD +9.5%

レバナス +8.0%

グラフではわかりづらいですが、CFDが勝ってい条件2が正しいことがわかります。

ところで、先ほど求めた3ヶ月間のリターンを年率リターンに換算すると以下のようになります。

QQQの年率リターンが

-29.7%〜+50.3%の範囲ならCFDが勝ち、

-29.7%以下または+50.3%以上ならレバナスが勝つ。

1年は3ヶ月の4倍なので、以下のように計算します。

1.107^4 ≒ 1.503より+50.3%

0.916^4 ≒ 0.703より-29.7%

(四捨五入しているため多少誤差があります)

QQQの年率リターンが1年で+50.3%を超えるケースも、-29.7%以下になるケースもめったにないはずです。よって投資期間が3ヶ月ならCFDが勝つ可能性が高いです。



投資期間が1年の場合

次は期間が1年、つまりT = 1の場合です。αとβは以下のようになります。

α ≒ 0.850

β ≒ 1.244

よって

QQQの年率リターンが

-15.0%〜+24.4%の範囲ならCFDが勝ち、

-15.0%以下または+24.4%以上ならレバナスが勝つ。

となります。

期間が3ヶ月の場合に比べるとCFDが勝つ範囲が狭いです。これでもCFDがほぼ勝つでしょうが、相場が非常に低調か好調であればレバナスが勝ちます。



投資期間が10年の場合

最後に、T = 10でαとβを計算すると

α ≒ 0.713

β ≒ 2.455

よって、

10年のQQQのリターンが

-28.7%〜+145.5%の範囲ならCFDが勝ち、

-28.7%以下または+145.5%以上ならレバナスが勝つ。

年率リターンに換算すると

QQQの年率リターンが

-3.3%〜+9.4%の範囲ならCFDが勝ち、

-3.3%以下または+9.4%以上ならレバナスが勝つ。

となります。

CFDが勝つ範囲は、投資期間1年の場合よりもさらに狭まりました。QQQの成長力が高ければ年率+9.4%を上回る可能性は十分あります。またもし10年間冴えない相場が続いた場合でも、QQQの年利が-3.3%以下ならレバナスが勝つのです。

よって投資期間が10年間なら、レバナスが勝つ確率がそれなりに上がると考えられます。

例として、2011年から2020年の期間のQQQの年平均成長率は約20%(>9.4%)で、σは0.20前後でした。

もしこの10年間でレバナスと「CFDでNASDAQ100に2倍のレバレッジ」が勝負していたら、レバナスが勝ちました。



グラフで見る投資期間と条件の関係

同様にいろいろな投資期間Tに対応するαとβを求め、それを年率リターンに換算します。

Tを横軸、QQQの年率リターンを縦軸にしてグラフを作ると以下のようになります。

これにより、Tが短いほどCFDが勝ちやすく、Tが長いほどレバナスが勝ちやすいことが視覚的にわかりやすくなりました。

Tは短くても1ヶ月〜3ヶ月程度とお考えください。

これは、Tがあまりにも短い(例えば数日)場合はσを計算するのに適切でなく、レバナスのリターンを表す式が機能しないためです。



σ = 0.27のケース(荒れ相場)

今度はσ = 0.27という荒れ相場での検証です。リーマンショックを挟んだ数年のσがこれくらいに相当します。

σ = 0.20の時と同様にb = 0とし、T = 0.25, 1, 10それぞれの場合で条件2を元にQQQの年利の具体的な数値を求めました。

結果は以下の通りです。

QQQの年率リターンと勝敗

3ヶ月の場合
-38.2%〜+76.9%の範囲ならCFDが勝ち、-38.2%以下または+76.9%以上ならレバナスが勝つ。

1年の場合
-19.7%〜+36.1%の範囲ならCFDが勝ち、-19.7%以下または+36.1%以上ならレバナスが勝つ。

10年の場合
-4.2%〜+14.1%の範囲ならCFDが勝ち、-4.2%以下または+14.1%以上ならレバナスが勝つ。

σ = 0.20と比較すると、CFDが勝つ範囲が広くなっていることがわかります。すなわち、σ= 0.20のときよりCFDが勝ちやすいということです。

σが大きいほどレバナスのリターンが下がることは過去記事で解説しました。これはレバナスの減価が大きいからです。

一方でCFDは減価しないので、σが大きいほど有利なのは納得がいきます。



まとめ

「CFDでNASDAQ100に2倍のレバレッジ」がレバナスと比較して有利になるのは

  • CFDの金利が低い時
  • 投資期間Tが短い時(1ヶ月〜数ヶ月)
  • σが大きい時

NASDAQ100 CFDに投資するならこれらの特性を理解して生かすとよいでしょう。

なお注意点があります。

レバナスでは追証が発生しないのに対し、CFDでは追証が発生する可能性があります。

CFDへの投資は慎重に行ってください。一定以上下がった時はロスカットするなどの対応が必要です。決して初心者向きの投資商品ではないという点は強調しておきます。

投資はくれぐれも自己責任で。

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