株式投資

NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)に投資すべき?TQQQと比較

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

今回は、投資信託であるNASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)を紹介します。

ナスダック100に3倍のレバレッジをかけて投資できるNASDAQ100 3倍ブルについては、以前紹介しました。

NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)は3倍のレバレッジをかけているという点は同じですが、仕組みに違いがあります。

大きな特徴は、レバレッジETFやレバレッジ投信で問題となる

逓減が起こらない

という点です。

解説した上で、投資すべきかどうかについて考察しました。

NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)とは

大和アセットマネジメントが設定、販売している投資信託です。

詳細はこちらのページをご覧ください。

原則として、米国の株価指数先物取引の組入比率が信託財産の純資産総額の300%程度となるように買い建てつつ、市場局面がリスク回避局面と判定される場合、基準価額の下落リスクを抑制するために、株価指数先物取引の組入比率を調整します。

ここでいう先物とは、ナスダック100指数の先物を指します。

概ねナスダック100に3倍のレバレッジをかけているという点で、TQQQやNASDAQ100 3倍ブルと似ています。

ただし、ナスダック100指数の下落リスクが高い時は先物の買いポジションを減らします。

さらに、

米国の株価指数先物取引の組入比率は、下限を信託財産の純資産総額の-30%程度とします。

とあるように、最低でポジションが-30%になる場合もあるとのことです。

マイナスというのは先物の売りポジションを持っていることを意味し、ナスダック100が下落すれば利益を得られるという、信用売りと似た仕組みになっています。

先物売買のタイミングの判断については以下の記載がありました。

複数(マルチ)のリスク関連指標を用いて市場局面を判定する大和アセットマネジメント株式会社独自のモデルです。

市場局面がリスク回避的と判定される場合には、米国の株価指数先物取引の投資比率を調整することによって、基準価額の下落リスクの抑制をめざします。

複数の指標を用いて、リスクが高い時は先物を売りレバレッジを下げるようで、これが「マルチアイ」の由来だそうです。

基本情報は以下の通りです。

NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)の基本情報

設定開始日:2021年3月26日

購入時手数料:販売会社が定める率で上限3.3%だが、ネット証券では無料

年間の経費率:信託報酬は1.3475%だが、他の費用を含めると1.4075%程度

純資産総額:40.44億円(2021年11月19日現在)

為替ヘッジありです。

信託期間は2026年3月25日までです。ただし受益者にとって有利と認められた場合は延長できるとのことです。

TQQQのようなレバレッジETFと比較して流動性が低いのは、他のレバレッジ投信と同じでやむを得ないことです。

以下、NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)を略して「マルチアイ」と記載することにします。



TQQQと比較 -逓減がない理由-

いろいろな相場での値動きを、ナスダック100の3倍レバレッジETFであるTQQQと比較してみましょう。

レンジ相場

以前、TQQQはレンジ相場で「中身」が減ると書きました。

マルチアイの場合には、中身は先物ということになります。

マルチアイが先物により3倍のポジションを持っている時の、レンジ相場での動きをQQQ, TQQQと比較してみましょう。
なお、この間先物は売買しないものとします。

TQQQの価格は100→88.2と減ってしまっており、逓減が生じています。

一方、マルチアイの価格は最初と同じ100であり、逓減はありません。

「中身」はどうでしょうか。

TQQQの中身の動きは以下の通りです。( )内は借金部分とします。

0日後 1枚(+2枚)

1日後 1.18枚(+2.36枚)

2日後 0.95枚(+1.89枚)

3日後 0.74枚(+1.47枚)

4日後 0.88枚(+1.76枚)

中身が1枚→0.88枚と減っていて、減価が起きたことになります。

一方で、マルチアイはこの間常に3倍の先物を持っているため、中身は変化しません。

だから減価が起きないのです。

この点はレバレッジETFにはないメリットです。



下落相場

ただし、下落相場で先物ポジションを減らさないと大変なことになります。

下落相場での価格推移を見てみましょう。

価格が減少する様子を、元本と借金の部分を表現した図で見てみましょう。

急激な下落の際に先物を売らずに放置すれば、マルチアイのレバレッジはどんどん上がっていき、やがて価格はマイナスになってしまいます。個人投資家であれば追証が必要となる状態です。

だからどこかで先物を処分してレバレッジを下げなければならないのです。

万が一価格がマイナスになっても証券会社の責任であり、さすがにマルチアイに投資した人が追証を求められることはないと思いますが。

一方TQQQの価格がマイナスになることはあり得ません。これは以下のように1日ごとに「中身」が減るからです。

0日後 1枚(+2枚)

1日後 0.78枚(+1.56枚)

2日後 0.58枚(+1.17枚)

3日後 0.51枚(+1.01枚)

4日後 0.43枚(+0.87枚)

元本と借金の部分を図で表すと以下の通りです。

このように毎日借金部分が減るおかげで、1日33.4%以上下落しない限り(サーキットブレーカーが作動するため事実上ありえない)TQQQの価格はマイナスになりません。



上昇相場

上昇相場では以下のようになります。
(マルチアイは3倍の先物を持ち、途中で変更しない場合)

マルチアイは単利で、TQQQは複利で価格が上昇します。

マルチアイの中身は変わりません。一方TQQQは以下のように増価により中身が増えます。

0日後 1枚(+2枚)

1日後 1.18枚(+2.36枚)

2日後 1.38枚(+2.76枚)

3日後 1.59枚(+3.18枚)

4日後 1.82枚(+3.64枚)

なお価格が上昇したのにマルチアイが保有する先物数がそのままだと、レバレッジは3倍からどんどん下落していきます。3倍を維持するためにはどこかのタイミングで先物を追加購入しなければならないでしょう。

以上のように、TQQQとマルチアイは仕組み上絶対的な優劣はなく、相場によって生かせる長所と短所があることになります。



NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)に投資すべきか

結論として、私は投資する予定はありません。

確かに、マルチアイでは逓減がないのは大きなメリットです。

一方、上昇相場ではいいですが、下落相場で持ち続けたら価格はどんどん下落していくので、先述の通り先物のロスカットが必要です。

この投信で利益を出すためには、運用担当者が以下のように先物をトレードする必要があります。

  1. 株価のボトム付近で先物ポジションを増やす。
  2. 株価のピーク付近で先物ポジションを減らす

こうすれば上昇時に利益は拡大し、下落時の損失は限定されるという理想的なトレードになります。

しかし、判断を誤ると以下のようになってしまいます。

  1. 株価のピーク付近で先物ポジションを増やす。
  2. 株価のボトム付近で先物ポジションを減らす。

これでは下落時の損失が拡大し、上昇時の利益は制限されるという、悪いトレードの典型になってしまいます。

マルチアイが行っているのは実質的に裁量トレードです。複数の指標を用いてリスク管理をしているそうですが、マーケットの裏を突くことができるのでしょうか。

全世界でプロの機関投資家が様々な指標や裁量を元にトレードをした結果、相場が作られるのです。それにより形成された「平均」に投資するインデックス投資が、最もオーソドックスな投資法です。裁量トレードでインデックスをコンスタントに上回るのはプロでも難しいとされています。

もしもTQQQと同等以上のパフォーマンスを維持できるなら、投資価値があると判断され、人気が出てくるでしょう。

ただし多くのアクティブファンドがそうであるように、最初はパフォーマンスが良くてもそのうち悪化する可能性があります。

マルチアイより、機械的に価格が決まるNASDAQ100 3倍ブルの方がいいと思います。

マルチアイと同じようなトレードをしたいなら、自分でナスダック100のCFD取引をするか、日本の証券会社でナスダック100連動型投信(2548など)の信用取引をするという手もあります。これなら資産を人に預けず、自分の裁量で売買できます。

今後もマルチアイの価格推移を見守っていきたいと思います。

参考になれば幸いです。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 息子が二人います。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

POSTED COMMENT

  1. Black より:

    ブログ楽しく拝見させていただいております。
    今回のネタは自分が気になる投資信託でした。目論見書だけでは理解しにくい部分もわかりやすく解説してくれていて参考になりました、!

  2. 放科医師 より:

    いつも楽しく拝見しています
    「先物」でどのように違いが出るか大変わかりやすかったです!
    結局先物組入比率を毎日調整してるので、3つの局面でTQQQと比べてどうなるかはマルチアイ次第ということになってしまいますよね……

  3. tak より:

    そもそも信用2倍でNASDAQ100買ってるので
    単純に先物3倍で動いてくれるなら個人的にはメリット有るんですよね。
    楽天カード枠で利用したいのでナスダック2倍レバと比較すると乗り換えても良いのかな〜という感覚です。

    が、マルチアイの運用実績が見えないので悩ましい。。。

    • カガミル より:

      しばらくは上昇相場が続くと思うので、マルチアイは安定したリターンを持たらしそうです。ただ下落時にどう先物を減らすのかを含め、挙動がわからないのが不安材料ですね。

  4. TSLA より:

    テスラとTQQQ、QLD、SSOでポートフォリオを組んでいこうと思っています。雄一SAXOバンク証券で取り扱っていたらしいんですが、最近禁止になったようですね。これは残念・・もう国内でTQQQを扱う証券会社って存在しないんですかね。
    まあ源泉徴収のサポート面でも楽ですし国内投信のレバナスとSOXL、TECL体制で攻撃的な投資をやってみようと思います。良い情報ありがとうございます!

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