レバレッジETFとビットコインに投資しています。
以前ブログで、NASDAQ100トリプル(マルチアイ搭載)について紹介しました。
以下、この投信を「マルチアイ」と略記します。
マルチアイは、「ダイワ・リスクアペタイト指数」に基づき市場のリスクを判断し、レバレッジを調整するという面白い投信です。
販売開始後から2022年まではレバレッジが3倍のままで、NASDAQ100 3倍ブルとほぼ同じ値動きをしていました。
2022年1月後半、初めてレバレッジが変化しました。
この記事では、そこから2月末までのマルチアイの値動きを振り返ります。
マルチアイの成績
データソース
NASDAQ100
Yahoo!Financeから時系列データをダウンロードできます。
https://finance.yahoo.com/quote/%5ENDX/history/
マルチアイ
販売元の大和アセットマネジメントのサイトにあります(NASDAQ100 3倍ブルも同じ)。
https://www.daiwa-am.co.jp/funds/detail/3445/detail_top.html
NASDAQ100 3倍ブル
https://www.daiwa-am.co.jp/funds/detail/3432/detail_top.html
以下では、NASDAQ100 3倍ブルを「3倍ブル」と略記します。
マルチアイのレバレッジの推移
1月25日まで、マルチアイと3倍ブルはともにレバレッジ3倍(300%)でした。
1月26日、相場が不安定になったのを受け、マルチアイのレバレッジが初めて150%に下がりました。
その後から3月1日までのマルチアイのレバレッジを表にまとめました。

1月26日から2月16日までは短期間で頻繁にレバレッジを変更したことがわかります。2月17日以降は60%のまま推移しています。
マルチアイ vs. 3倍ブル
マルチアイのレバレッジが同じであった期間ごとに区切り、3倍ブルと変動率を比較したのが以下の表です。

2月16日までマルチアイは
NASDAQ100が下落している期間は300%
NASDAQ100が上昇している期間は150%
と上昇を取りこぼし、下落はきっちり3倍食らうという悪いパターンにはまり、どの期間でも3倍ブルに負けるか引き分けでした。
ところが2月17日に60%に下げてからは様相が変わります。
3倍ブルが大きく下落したのに対してマルチアイの下落は限られ、3月1日時点で両者の差はだいぶ縮まりました。
レバレッジが変更される少し前の1月14日の価格を1とした、両者のチャートを示します。

3月1日時点ではまだ3倍ブルが勝っています。
この期間を通して見ると、マルチアイのボラティリティは3倍ブルと比較してかなり抑えられていることがわかります。
マルチアイに関する私見
2月の前半ごろ、マルチアイは「逆神」と言われることがありました。上記の通りレバレッジ変更がことごとく裏目に出て、3倍ブルに負け続けたからです。またあまりに短期間でレバレッジを変更する様子は狼狽する投資初心者のように思えました。
しかし3月2日現在リスクオフの相場で、ここからマルチアイが強さを発揮するかもしれません。
もしマルチアイのレバレッジが60%に固定されたまま株価が下落したら、評価額が大きく下がる3倍ブルとは対照的に、資産を守ることができるでしょう。
仮に株価が下落せずレンジ相場を形成したとしても、ボラティリティが高ければレバレッジ3倍はそれなりに減価(逓減)します。
一方で日々の変動率が60%の場合、ボラティリティの高い相場では基準インデックス(100%)よりも有利になり、減価は問題になりません。
一般にインデックスは相場によらず持ち続けるべきと言われます。よほどの凄腕トレーダーでない限り、そうする方がリターンが高いことが多いからです。
マルチアイは3倍のレバレッジをかけて高いリターンを狙いつつ、相場状況に応じてレバレッジを変更することでリスクを抑えるという試みをしています。
昨今はマルチアイの実力を見る絶好の相場だと思います。もし戦略が機能することを示せれば、人気の投信の仲間入りをするかもしれません。
ただ、ダイワ・リスクアペタイト指数がブラックボックスなのは気になるところです。結果的に2022年の相場ではうまく立ち回れたとしても、次の荒れ相場で同じように機能するとは限りません。
個人的にはレバレッジを変更する頻度が高すぎた気がしますが、リターンがよいなら投資商品として文句はないでしょう。
私はマルチアイを購入するつもりはありませんが、引き続き動向を見守っていきたいと思います。
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