株式投資

長期投資でリスクは下がる? 〜Excelのリターン分布グラフで検証〜

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

株(特にインデックス)に長期投資をすることで、リスクを下げられる。

こんな説明を聞いたことはないでしょうか。

実際、投資家のバイブルとされるシーゲル教授の「株式投資の未来」にも、株の保有期間とリスクの関係について以下のようなグラフがあります。


確かにこのグラフを見ると、保有期間が延びるにつれて平均リスクが下がっているように見えます。

本記事では投資期間ごとのリターンの分布を調べることで、長期投資とリスクの関係を視覚的に表現して検証しました。

検証に用いたExcelファイルを載せていますので、ご自由にダウンロードしてお使いください。

検証用Excelファイル

以前の記事で、リターンの分布を表す式について解説しました。

1年あたりのリターンをμ、リスクをσ、投資期間をT年とすると、リターンは対数正規分布を取り以下のような確率密度変数f(x)で表されます。

異なるTでのリターンを比較するために新しくExcelファイルを作りました。ご自由にダウンロードしてお使いください。

Excelファイルのダウンロードリンク

中身はこのようになっています。

CAGRおよび標準偏差を入力するシートと、μおよびσを直接入力するシートの2種類ありますが、この記事では後者を用います。

パラメータは自由に変更できます。



投資期間とリスクの関係

1990年以降のS&P 500のリターンとリスクに近い数字として、μ = 0.09, σ = 0.14に設定しました。そして期間T=1, 5, 10, 20, 30(年)のグラフを同時に描画しました。

こちらが結果です。

Aが1年、Bが5年、Cが10年、Dが20年、Eが30年です。

1年の場合は非常に鋭いピークを持ち、幅が狭いことがわかります。投資期間が長いほど山が低くてなだらかになり、「山の裾が広がっている」感じになります。

投資におけるリスクとは「リターンの標準偏差(≒ばらつき)」のことであり、定義に従えば投資期間が長くなるほどリスクが上昇していることになります。

実は投資期間とリスクには以下の関係があります。

リスクは、投資期間の平方根に比例する。

たとえば、1年間のリスクがσのとき、4年間のリスクはσ×√4 = 2σ、9年間のリスクは3σという具合です。

解説は省略しますが、上のf(x)の式自体がそのことを表現しています。

長期投資でリスクは下がるのではなく、上昇するのです。

シーゲル教授の本のグラフには「平均リスク(年率)」と書かれているように、投資期間で補正しているので見かけ上数字が小さくなっているのです。



投資期間と元本割れ確率の関係

ただ、長期投資はリスクが高いから避けるべきという結論にはなりません。

Excelシートに表示される、投資期間ごとの平均値、元本割れ確率を見てみましょう。これは100万円を一括投資した場合のリターンです。

投資期間が長くなるほど元本割れ確率が下がっています。

投資期間が長くなるほど下位10%、最頻値、中央値、平均値、上位10%が上昇するのに加え、各数値の差(例えば上位10%と下位10%の差)はどんどん大きくなっています。つまりグラフが正方向に移動しながら、山全体が広がっていることがわかります。

一方、山の高さはだんだん下がっていきます。

結果、f(x)のグラフで元本割れに相当する部分(リターンが対投資額比で1未満の部分)の面積はどんどん小さくなります。つまり、元本割れの確率は下がるのです。

長期投資でリスク=標準偏差は大きくなるが、元本割れする確率低くなる。

したがって、インデックス投資は長期投資をする方が望ましいということになります。

今回は、長期投資におけるリスクと元本割れ確率について、リターンの分布グラフを用いて説明しました。

参考になれば幸いです。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 息子が二人います。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

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