レバレッジETFでナスダック100に投資をしています。
レバレッジETFの基本的なしくみ、追証が発生しない理由、私が運用している「LECポートフォリオ」についてはこちらにまとめてありますので、よろしければご覧ください。
この記事では私のレバレッジ投資の全体像を公開します。私はこれを
レバレッジド・コア・サテライト
The leveraged core-satellite strategy
と名付けました。
なんとなくかっこいいからです(笑)
目次 (クリックでジャンプ)
コア・サテライト戦略とは
一般的なコア・サテライト戦略について既にご存知の方、私の戦略を早く見たいという方は読み飛ばしてください。
コア・サテライト戦略では、投資をコア(中核)とサテライト(衛星)に分けます。
通常コアでは手堅い守りの運用を、サテライトではよりハイリスクハイリターンを狙える攻めの運用を行います。
以下は一例です。
コア:インデックス投資(全米株式や全世界株式のETFまたは投資信託)
サテライト:個別株(キャピタルゲイン狙い、スイングトレード、優待など)、アクティブファンド、FX、暗号通貨など
私も全米株式に投資していますが、特にナスダック100に将来性を感じていて主力としています。
コア:QQQ 100%のホールド継続
サテライト:QQQのスイングトレード
コアの部分は原則動かさない一方で、サテライトでスイングトレードをすることでさらなる利益を狙います。
このコアとサテライトのそれぞれにレバレッジをかけて行う戦略が「レバレッジド・コア・サテライト」です。
レバレッジド・コア・サテライトとは
以下の図に示します。

レバレッジド・コア:QLD 100%
レバレッジド・サテライト:LECポートフォリオ(裁量)
それぞれについて解説します。
レバレッジド・コア
ナスダック100指数の2倍のレバレッジETFであるQLD 100%のポートフォリオです。
QLDとは
正式名称は「プロシェアーズ・ウルトラ・QQQ」です。
ナスダック100指数に対し、日々の変動が2倍になることを目指すレバレッジETFです。
設定開始日は2006年6月21日と、TQQQより古いです。
ちなみに同じ年の6月19日、S&P 500の2倍レバレッジETFであるSSO(プロシェアーズ・ウルトラ・S&P500)も設定開始になっています。
「ナスダック100にレバレッジをかけた一種のインデックス」に投資をするというコンセプトです。
QLDのパフォーマンス
おなじみのPortfolio VisualizerでQQQと比較してみましょう。
同時にS&P 500指数、その2倍のSSOとも比較してみます。
期間は設定直後の2006年7月から2020年12月までです。

過去14年強でのQLDのパフォーマンスは26%以上と、SSOやQQQを上回り申し分ないです。
ただしリーマンショックの際の最大ドローダウンがかなり高いことに注意が必要です。
上図によると月次終値でみた最大ドローダウンはQQQが50%前後、QLDは80%前後ですが、日次終値でみるとさらに大きいです。
ナスダック100:53.4%(QQQもほぼ同じ)
QLD:84.0%
(期間は2007年10月31日から2009年3月9日)
その後はチャートに示した通り、QLDは数年かけて最高値を更新しました。
2020年のコロナショックの期間中の最大ドローダウンは以下の通りです。
ナスダック100:28.0%(QQQもほぼ同じ)
QLD:51.7%
TQQQ:69.9%
(いずれも2020年2月19日から3月20日)
このように経済危機でのQLDの下落幅は、QQQを上回るもののTQQQよりはマイルドです。
QLDの流動性
QLDの時価総額は29.1億ドル、平均出来高は1,878,050です。
(TQQQはそれぞれ79.2億ドル、13,338,623。いずれも2020年12月31日現在)
TQQQに劣るものの、個人投資家にとっては流動性は十分と言えるでしょう。
なぜQLDなのか
レバレッジETF投資では、TQQQ、TECL、SPXLなどレバレッジが3倍のものに投資する人がほとんどだと思います。もちろんどれが正解というわけではありません。
まず私がナスダック100をメインの投資先にしているのは、成長著しいナスダック市場でも時価総額トップ100位の銘柄を集めており、これからもリターンだけでなく安定度でもS&P 500を上回ると思うからです。
また最近のモデルナなど、IT以外の成長企業の恩恵も受けられます。
ただ個人的には、今後ナスダック100がITバブル崩壊と同程度に暴落することはなく、安定して推移すると考えています。
個人的に、
レバレッジ3倍は高すぎる
と考えています。
年齢や収入などのリスク許容度にもよりますが、長期間の安定性を重視するなら、多くの人にとっての適正レバレッジは1.5〜2倍くらいではないでしょうか。
私がLECポートフォリオを使い始めたのもそれが一因です。
ナスダック100に2倍のレバレッジをかけられるQLDは、リスクがほどほどで使い勝手のいいレバレッジETFだと考えています。
レバレッジド・サテライト
LECポートフォリオ(裁量)は相場の状況に合わせてTQQQと現金の比率を調節する上級者向けの戦略です。詳しくは下記事の「上級者向け戦略:裁量」の部分をご覧ください。
サテライトの部分ではTQQQによりコア以上のリターンを狙うのが目標です。
場合によってはTQQQ 100%とすることも可能です。
しかしリスクが高いため、多くの場合TQQQの割合は1/6〜5/6(レバレッジは0.5倍〜2.5倍)で推移することになるでしょう。
コア、サテライトを併用する理由
それぞれのメリット
サテライトのLECポートフォリオ(裁量)は難しそうなので、コアを単独で持ちたいという方もいらっしゃるかもしれません。
それも1つの手として考えられます。
ただ私が両方を運用するのは、経済危機の際にリスクを減らすためです。
コア、サテライトそれぞれのメリット/デメリットをあげます。
コア:QLD 100%
メリット:(原則)購入して持ち続ければよい。誰がやっても同じリターンが得られる。
デメリット:大きな経済危機では大幅に下落する。
サテライト:LECポートフォリオ(裁量)
メリット:現金を含むLECポートフォリオは下落局面に強い。
デメリット:売買のタイミングは自分で判断しなければならず、パフォーマンスが投資家の腕に左右される。
LECポートフォリオが相場下落に強い理由については、この記事の「LECポートフォリの特性」をご覧ください。
コアは常にレバレッジ2倍なので下落相場ではどんどん評価額が下がります。
防御型のLECポートフォリオなら現金割合を増やすことで評価額下落を抑えられます。
先述の通り、QLDがリーマンショックのドローダウンから回復するには数年を要しました。2020年のコロナショックでは日次終値でのQLDの最大ドローダウンは50%以上でした。
リーマンショックよりも大きな暴落が生じれば、コアが二度と元の価格に戻らないレベルまで下落する可能性は0ではありません。
そのヘッジとして、リスクをコントロールできるLECポートフォリオ(裁量)を持つことが望ましいと思います。
コアを単独で持つなら
コアを単独で持ったまま放置すれば、回復不能なレベルまで資産が毀損される恐れがあります。
資産を守るには、QLDが大きく下落した時に一部を現金化してレバレッジを下げるなどの工夫が必要かもしれません。
コアとサテライトのバランス
最初に述べた通り、サテライトを持つ目的はコアを上回るリターンを出すことです(下落時のヘッジの意味合いもありますが)。
コアのパフォーマンスがサテライトをコンスタントに上回るなら、サテライトを持つ意味は薄れます。サテライトを減らしてコアを増やすべきでしょう。
逆にサテライトのパフォーマンスがコアをコンスタントに超える人は、優れた相場観の持ち主でありサテライトを増やしてもよいでしょう。
このように、コアとサテライトの比率は適宜調節してよいのです。
今回は、私の投資戦略である「レバレッジド・コア・サテライト」について解説しました。
難しく感じた方もいらっしゃるかもしれません。
2021年はこの投資法を実践し、成績について公表していくつもりです。実際の運用はそれを見ていただくとわかりやすいかもしれません。
参考になれば幸いです。
投資はくれぐれも自己責任で。
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