レバレッジETFとビットコインに投資しています。
運営している「レバレッジド・コア・サテライト」についてはこちらをご覧ください。
先日、2021年前半のレバレッジETFのパフォーマンスについての記事を書きました。
レバレッジETFの素晴らしいパフォーマンスを見て、新しく投資してみたくなった方もいらっしゃるかもしれません。
かといって、安易に手を出すと高確率で損をすると思います。
そこで、レバレッジ投資未経験者がどのようにレバレッジ投資を取り入れるべきかについて、個人的な意見を解説します。
私自身はこれまでにいろいろなレバレッジ型の投資商品に手を出してきて、最終的に今の方法に落ち着いたので、その経験を踏まえています。
対象は「インデックス投資などある程度の投資経験はあるがレバレッジ投資は初めての人」であり、投資を全くやったことがない人ではありませんのでご注意ください。
目次 (クリックでジャンプ)
私のレバレッジ投資歴
私の投資歴については以前記事にしました。
私がレバレッジ投資を始めたのは、2018年のことです。
それまではインデックス投資しかしていませんでしたが、「可変レバレッジド・ポートフォリオ」を知りぜひやってみたいと思い、レバレッジETFを購入することを決めました。
とはいえ当時はインデックスにほぼフルインベストメントで、余剰資金はありませんでした。
そこで私は手持ちのインデックスの一部を売却し、得られた資金でSOXL, TMF, BNDを購入しました。
結果、私のポートフォリオ(PF)の全体像はこのようになりました。

このように、
レバレッジをかけていないPFと、レバレッジをかけたPFを別々に持つ
という方法をとったのです。
以下では、レバレッジをかけていないPFを「非レバレッジドPF」、レバレッジをかけたPFを「レバレッジドPF」と表記します。
割合は図のように、可変レバレッジド・ポートフォリオの方が少なかったです。
そして、その後は投資の勉強をしながら、レバレッジドPFをいじりました。
- BNDを売却してSPXLとTMFを買う
- TMFの今後の上昇余地は乏しいと判断してTMFを現金化する
- SPXLを売ってTQQQを購入する
といった具合です。
さらに、非レバレッジドPFからレバレッジドPFに少しずつ資金を移しました。またWEBL、CWEB、SOXLを少し持つことにしました。
結果、今のPFは下のようになっています。

(SBGには軽度のレバレッジをかけていますが、ここでは非レバレッジドPFに含めます)
レバレッジありとなしで分ける
私がやったように、
・非レバレッジドPFとレバレッジドPFを分けて管理する。
・非レバレッジドPFからレバレッジドPFに少しずつお金を回す。
というのは初心者にもお勧めできるレバレッジ投資法です。
多くの初心者はインデックス投資など、レバレッジをかけない投資をしていると思います。
非レバレッジドPFから少しずつ、レバレッジドPFに資金を回すのが良いでしょう。
たとえば資産額が100万円なら、90万円は非レバレッジドPFに残したままで、10万円をレバレッジドPFに回す。そこで10万円でレバレッジETFやレバレッジ投信を購入するという具合です。
もちろん10万円を一度に使いきる必要はなく、少しずつ買ってみてもよいのです。積み立てる、裁量トレードを行う、LECポートフォリオの形にする、それは皆様の自由です。
なお、手持ちの現金があればそれをレバレッジドPFに回すのがベストであり、手持ちのインデックスを売却して回すのはその後です。
レバレッジ投信は日本円で決めた額だけ買えるので便利です。以下のようなものがあり、特にiFreeレバレッジNASDAQ100(レバナス)は人気です。
ただし「為替ヘッジあり」である点はご注意ください。
ここで紹介した方法のメリットは以下の通りです。
・レバレッジドPFが独立しているので投資の自由度が高い。
・レバレッジ投資に失敗しても損失が限定される
レバレッジドPFの10万円は最悪0になる可能性がありますが、非レバレッジドPFの90万円は残ります。だから十分立て直せるチャンスがあります。
ただし、一度に多額をレバレッジドPFに突っ込んでしまうとその分リスクが高くなるのでご注意ください。
PF全体でレバレッジを考える
他に考えられる方法として、
PF全体のレバレッジを固定する
というものもあります。
例としてひよのPFを取り上げましょう。
この記事ではインデックス投資からひよのPFへの移行の仕方についても説明しました。
まずは目標とするオルカン:レバナス=7:3のPFを作ります。この場合のレバレッジは1.3倍です。
そしてリバランスまたは追加入金の際は、そのレバレッジを維持するようにインデックス型投信/ETFまたはレバレッジETF/投信を売買します。
ひよのPF以外だと、こちらの記事にある合成PF(例えばSPXL+QQQ)もいいでしょう。
この方法だと固定したレバレッジになるように調節すればいいだけなので、裁量トレードは必要ありません。
ただし、一度レバレッジを決めてしまうと小回りが利かなくなる点は注意してください。
例えばなんらかの理由でレバレッジを解除したくなった場合、レバレッジ投信/ETFを売却する必要がありますが、相場状況によっては損をしてしまいます。
レバレッジ投資を始める際の注意点
以上、初心者向けの2つの方法を紹介しました。
それでもレバレッジ投資はレバレッジをかけない投資と異なる点が多いので、注意点を挙げます。
まずはインデックス投資に慣れてから
レバレッジ投資はインデックス投資よりハイリスクなので、やるなら最低でもインデックス投資に慣れておく必要があります。
インデックス投資でも評価額はそれなりに変動します。コロナショック時には30%以上、リーマンショックでは50%以上下落しました。
インデックス投資家であれば相場によらずインデックスを保有し続けるべきですが、中には狼狽売りした人もいると聞きます。そういう人はさらにリスクの高いレバレッジ投資に手を出すべきではありません。
自分がどの程度の資産下落に耐えられるかを把握した上で始めましょう。
レバレッジは少しずつ上げ1.5倍まで
レバレッジ投資を始めたら、レバレッジは少しずつ上げていくのがベストです。焦って上げると失敗する確率が上がるので、慌てずに行いましょう。
自分のPF全体のレバレッジは、最初は1.0〜1.2倍くらいで様子をみましょう。慣れたらさらに上げてもいいですが、当面の間は1.5倍くらいまでが無難です。
リスク許容度を超えた状態で暴落に遭遇したら、メンタルが持たない可能性があります。
私は現在「レバレッジド・コア・サテライト」で2倍近いレバレッジをかけていますが、非レバレッジドPFの資産を含めるとレバレッジはさらに低いですし、リスク許容度を把握しているのでこれだけのレバレッジをかけられるのです。
レバレッジ投資の初心者は、高くてもレバレッジ1.5倍くらいまでにとどめましょう。
レバレッジ投資の限界を知っておく
よほどうまく短期売買をするのでない限り、レバレッジをかけても爆益は得られないという点を理解しておきましょう。
例として、S&P 500の年平均リターンが7%とします。レバレッジETF/投信を用いてS&P 500に1.5倍のレバレッジをかけたら、何%のリターンが期待できるでしょう。
というのは間違いです。実際にはもう少し小さい、8.5-9.5%くらいの可能性が高いです。
それはレバレッジETF/投信の逓減(減価)によるものです。
もちろん数十年投資を続けるなら1%の差も積もり積もって大きくなりますが、短期間で大きな利益を期待できるものでない点はご理解ください。
レバレッジをかける必要が本当にあるか
何度か弊ブログで指摘している通り、本当にレバレッジをかける必要があるのかじっくり考えてから始めるべきだと思います。
極端な話、毎月100万円の入金力がある人はレバレッジ投資に手を出す必要はないと思います。貯金するだけで30年間で3億6000万円の資産を築けますし、インデックス投資やもっと安全な投資で十分ではないでしょうか。
インデックス投資では期待する資産に届かない場合に、レバレッジ投資を検討する余地が出てきます。
その場合も、レバレッジに伴うリスクを負う必要があるかを考えてから始めましょう。
今回は、未経験の人がどのようにレバレッジ投資を取り入れるかについて、自分の経験も踏まえて解説しました。
レバレッジはリターンだけでなくリスクも上昇させるため、投資初心者にはハードルが高いです。
よく考えた上で、少しずつ取り入れることをお勧めします。
投資はくれぐれも自己責任で。
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