医師として働くかたわら、レバレッジ投資をしています。
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前回の記事では私の主力戦略であるLECポートフォリオについて紹介しました。
今回の記事では、初心者から上級者の方向けに、LECポートフォリオを用いた投資戦略について解説します。
目次 (クリックでジャンプ)
初心者向け戦略
基本TQQQはお勧めしない
まず、初心者はTQQQを買わない方がよいでしょう。TQQQをはじめとするレバレッジETFのリスクは、初心者のリスク許容度を超えるからです。
期待されていた初心者の方は申し訳ありません。
ナスダック100指数に投資したい場合、以下のようなポートフォリオがよいでしょう。

まずはレバレッジをかけずにナスダック100指数に投資してみる、そして慣れたら次のステップに進むのがよいと思います。このポートフォリオでもS&P 500や全世界株式を上回るリターンが期待できるので十分ではないでしょうか。
ナスダック100指数に投資できる商品としてETFと投資信託があります。
QQQはドル建てで、1545と2568は円建てで買えるETFです。信託報酬はQQQが0.20%と最も低いです。2568は歴史が浅いですが信託報酬は0.275%と、1545の0.495%よりも低いです。
手数料を安くするなら米ドルでQQQを買うのがよいですが、どれを選んでもいいと思います。
また投資信託としてiFreeNEXT NASDAQ100インデックスがあり、日本円で希望する金額分だけ購入できます。
なお資産の100%をナスダック100指数に投資する必要はありません。むしろ資産の一部はS&P 500など他の指数に投資するか、現金として持っておくとよいでしょう。
それでもTQQQを買いたいなら
初心者だけどどうしてもTQQQでレバレッジ投資をしてみたいという方もいらっしゃるかもしれません。
そういう方のために1つ方法をお伝えします。
ただし先に紹介した方法よりもハイリスクなので、「ゼロになってもかまわない」と思える程度のお金で行ってください。
「恩株」という考え方を使います。手順は以下の通りです。
1、元手で買えるだけTQQQを買う。
2、TQQQ価格が2倍になるのを待つ。
3、2倍になったら保有しているTQQQの半分を売る(注)。
4、あとは残ったTQQQと現金をホールドし続ける。好きな時に売却してよい。
(注:売却益には約20%の税金がかかるため、税金を考慮するならもう少し高くなってから売る必要があります)
元本が1万ドルの場合は図のようになります。

右の状態になればTQQQがいくら下落しても、元本の1万ドルは現金で回収済みなので損をせずに済みます。これが恩株という方法です。
あとは1万ドル分のTQQQをいつ売却するのも自由です。年単位で持ち続けて大金になるのを待つのもよいですし、資産が目標に達した時点で売却するのもよいでしょう。
注意点として、最初にTQQQを買うタイミングが悪いとその後下落してしまい、いつまで待っても2倍にならない可能性があります。始めるなら不況の時期がよいかもしれません。
例えばコロナショックの真っ只中だった2020年4月頃にこの方法を始めれば大成功でした。こういう時期に買う勇気が初心者の方にあるかは疑問ですが。
中級者向け戦略:リバランス
LECポートフォリオ(リバランス)
と名付けます。
相場の状況に関係なく機械的にリバランスを行う方法です。リバランスの経験がある中級者向きです。
まずはLECポートフォリオをリスク別に3種類設定します。

TQQQ 50%でもそれなりのリスクはあるため「リスク中」とし、TQQQ 3分の2を「リスク特大」としました。
なおTQQQの割合を70%, 80%とさらに高めてもよいのですがリスクも高くなります。TQQQ 100%のリスクはこの記事をご覧ください。
そのため最大でもTQQQの割合は3分の2としました。
このLECポートフォリオを3ヶ月ごとにリバランスした場合の過去10年、そして2020年以降のパフォーマンスを検証しました。
なおリバランスのタイミングは、3月、6月、9月、12月の終値です。
2011年1月〜2020年11月のデータ

2020年1月以降のデータ

いずれにおいてもLECポートフォリオはQQQのパフォーマンスを上回っています。
リバランスは3ヶ月ごとにするのが最もパフォーマンスが高いですが、間隔は2ヶ月、6ヶ月のように変更していただいてかまいません。ただし頻繁にリバランスするとパフォーマンスは低下します。
定期的にリバランスするだけで高いリターンが得られるので、お勧めできる戦略です。
上級者向け戦略:裁量
LECポートフォリオ(裁量)
と名付けます。
機械的にTQQQの割合を調整するのではなく、相場を見ながら投資家の裁量で売買をするという戦略です。
手法として、無限ナンピンとスイングトレードを紹介します。
無限ナンピン
LECポートフォリオ(リスク中)を運用していて、TQQQの価格が66.7%下落し3分の1になったとしましょう。この場合、ナスダック100指数は25%前後下落していることが想定されます。
最初のポートフォリオの価値は18万ドルとします。

TQQQが9万ドル→3万ドルと大幅に下落して12万ドルになったところでリバランスします。3万ドル分のTQQQを買い増し、再びTQQQが50%となりました。
さらにTQQQが3分の1に下落した場合を考えます。

今度は8万ドルになったところでリバランスとなります。TQQQを2万ドル分買い増し、再びTQQQが50%となりました。
お気付きの方もいらっしゃると思いますが、この操作はTQQQが下落するたびに何度でも繰り返すことができます。無限ナンピンと本質的に同じです。
現金の「防御力」のおかげで、相場が下落してもその度に残った現金でTQQQを買い増すことができ、TQQQの平均取得単価はどんどん下がります。
そしてTQQQが上昇に転じればリターンを得ることができるのです。
なおTQQQがあまりにも大きく下落した場合は元の価格まで戻らない可能性もあります。
上記は一例であり、下落したら機械的にナンピンするのではなく、どのタイミングでナンピンするかを自分で判断しなければなりません。したがって上級者向けとしました。
スイングトレード
✍️投資方針
昨夜TQQQの一部を利確し、現在PFはTQQQ 1/3, 現金2/3の割合。これはQQQ 100%と同等。
昨夜の下落が株価の一時的な調整なのかさらなる下落の始まりなのかは不明であり、どちらにも対応できるようにした。投資金額が大きくすでに十分な含み益があることから利確を優先した。しばらく静観。 pic.twitter.com/8LeZI4uraG— カガミル(理三パパ)@東大医学部卒×子育て×投資 (@kagamiru_risan) September 4, 2020
このツイートは、たまたまTQQQがピークに近い9月3日に売って利確ができたときのものです。
相場を読み、以下のようにTQQQの割合を調節します。
上昇を予想する場合はTQQQを購入してレバレッジを上げる(2倍以上)。
下落を予想する場合はTQQQを売却してレバレッジを下げる(1倍以下)。
TQQQの割合を変化させることは、本質的にスイングトレードと同じです。
2020年1月から11月までのTQQQとQQQのチャートは下の通りです。毎回天井と底を正確に当てるのは不可能なので、そこから少し遅れて順張りで取引をしたとします。

売買ルールは以下の通りです。
赤い▲で、TQQQ 2/3, 現金 1/3となるようTQQQを買う。
青い▼で、TQQQ 1/3, 現金 2/3となるようTQQQを売る。
具体的な日付と価格(終値)は表の通りです。
日付 | QQQ価格 | TQQQ価格 | 売買 |
19/12/31 | 211.79 | 86.55 | 買 |
20/2/24 | 220.54 | 95.68 | 売 |
20/3/31 | 190.4 | 47.64 | 買 |
20/9/3 | 287.41 | 147.73 | 売 |
20/9/30 | 277.84 | 130.9 | 買 |
20/11/30 | 299.62 | 158.02 |
この通りに売買すると、QQQ, TQQQ, LECポートフォリオのパフォーマンスは下の通りです。
QQQ +41%
TQQQ +82%
LECポートフォリオ +133%

LECポートフォリオのパフォーマンスは、QQQやTQQQを持ち続けた場合よりも大きいことがわかります。
なおこれは2020年という荒れ相場において、適切なタイミングでトレードした場合の結果です。相場を読み誤ると大きく資産を減らす可能性があります。
無限ナンピンとスイングトレードのいずれをとるにしても、LECポートフォリオ(裁量)はハイリスクハイリターンであり、上級者向けの戦略である点はご理解ください。
終わりに
今回はLECポートフォリオを用いた戦略について、初心者、中級者、上級者それぞれに向けて書きました。
読者の皆様がご自分に合う投資戦略を見つける一助となれば幸いです。
なお投資はくれぐれも自己責任でお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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