株式投資

L倍レバレッジETFのリターンを表す式とその証明

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

今回は、L倍レバレッジETFのリターンを表す式の証明について解説します。

式自体は(今回と少し異なる形ですが)以前の記事で紹介しました。

しかしこの時点では証明には至っておらず、そこから導いた結論が正しいのかは疑問の余地がありました。

今回数学的に式を証明できたことにより、ここを確実な出発点としてレバレッジETFについて掘り下げることができるようになりました。

レバナスやSPXLに投資すべきかといった疑問に対する答えを出すのに役立つ可能性があります。

L倍レバレッジETFのリターンを表す式

L>1の時

レバレッジをかけているので、Lが1より大きいという前提でお考えください。

こちらがその式で、近似式の形になっています。

なお最初のΡはギリシャ文字の「ロー」です。英語のアルファベットのP(ピー)に似ていますが、対応するアルファベットはRです。リターン(return)の頭文字から取りました。

この式の両辺の自然対数を取り、以下のように書くこともできます。

この式の中のρはΡ(ロー)の小文字です。

指数や自然対数の底が出てくるので、とまどう方もいらっしゃるかもしれません。

しかしこの式は「増価」「減価」を明確に区別することができ、理解すればレバレッジETFについて思考しやすくなります。

レバレッジETFは日々変動しますが、この式ではリターンを求めるのに1日ごとの値動きは必要ありません。

基準インデックスのリターンやボラティリティなどの数個のパラメーターのみで近似できるのは素晴らしいことだと思います。

L = 1の時

L倍レバレッジETFのリターンを表す式で、L = 1の場合はどうなるでしょうか。

L = 1を代入すると以下のようになります。

これは、年間経費率がc1のインデックス型ETFの年率リターンに相当します。

インデックス型ETFの中には経費率0.03%のVOOのように、経費を無視できるものもあります。もしC1 = 0とすると、

となり、リターンはインデックスの配当込みリターンとほぼ同じになります。

よって、

式は L = 1でも成立する

と言えます。



私が考えた証明

以下に証明を記しますが、高校数学+αの知識が必要である点はご理解ください。

前提条件

式の前提条件は、株価が幾何ブラウン運動に従うことです。つまり、株価S(t)が

を満たすことです。

式については以下の記事をご覧ください。

μは年率リターンσは年率ボラティリティを表します。ここではμとσは定数とします。

ボラティリティの計算法は以下の記事で解説しています。

この条件では、n日後の株価は以下の条件を満たします。

εは平均0、標準偏差1の正規分布に従う確率変数です。

この条件下で証明を行いました。

手書きの紙をスキャンしたものを掲載します。



補題1

補題2



Q.E.Dまで

以上で証明は終わりです。



英語論文の正式な証明

以上の式と証明は、私が自力で発見して証明したものでした。

しかし、金融工学の専門家でも何でもない私が発見できるような式は、誰かがすでに発見していて当然です。

Twitterのフォロワー様から同じ式と証明が掲載されている英語論文を教えていただきました。

こちらがその論文です。

https://epubs.siam.org/doi/pdf/10.1137/090760805

https://www.math.nyu.edu/~avellane/LETFSlides.pdf

掲載されていた式はこちらです。

一見、私の式とは違うように見えるかもしれません。

しかし、以下のようにパラメーターを表す文字を揃えると全く同じ式になります。

興味のある方は、論文の証明も読んでみてください。



現実のレバレッジETFでも成立するか?

式の証明はできましたが、この式は株価モデルだけでなく現実のレバレッジETFでも成立するでしょうか。

その答えは、「ほぼ成立する」です。

以下の記事でS&P 500やQQQで検証した結果、その結論に達しました。

L倍レバレッジETFのリターンを表す式は、現実のレバレッジETFでもほぼ成立する。



終わりに

この式は以前から証明しようと試みていたのですが、なかなかうまくいきませんでした。

補題1のマクローリン展開と、補題2の近似を思いついたことが突破口となり、そこからはそれほど苦労せずに証明できました。

同じ式が論文に掲載されているのを見つけ、正しいとわかった時は本当に嬉しかったです。

ただし私の証明については誤っている可能性もあるので、お気付きの点があれば教えていただければ幸いです。

この式を踏まえ、レバレッジETFについて掘り下げていきたいと思います。これからもブログをよろしくお願いします。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 息子が二人います。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

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