レバレッジETFとビットコインに投資しています。
CUREはヘルスケアの3倍レバレッジETFで、このサイトを見ている方ならご存知の方も多いと思います。
CUREの特徴はそのディフェンシブさです。バックテストではありますが、ITバブル崩壊とリーマンショックを乗り越えました。
以前の記事で書いたように、L倍レバレッジETFのリターンを表す式は以下の通りです。
この式は、2021年以前のS&P 500とQQQでほぼ成立することがわかりました。
この記事では、CUREでもこの式が成立するかを検証しました。
目次 (クリックでジャンプ)
CUREのリターンを表す式
過去記事で紹介したL倍レバレッジETFのリターンを表す式は以下の通りです。

CUREの場合、L = 3です。
また、SPXLと同じくc3 = 0.0215とします。これはCUREとSPXLは同じDirexion社から販売されているETFであり、経費は近いと考えるからです。
するとCUREの配当込みリターンは以下の式で表せるはずです。

XLVは、CUREに対応するレバレッジ1倍のETFです。
この式から計算される数値と、実際のCUREのリターンを比較しました。
計算式と実際のリターンの比較
CUREが設定開始となったのは2011年6月なので、検証期間は2012年から2021年とします。
必要なデータは、Portfolio Visualizer, Yahoo Finance, FREDのサイトから得ます。
XLVのσはこの記事にある方法で求められます。
計算法の詳細は以下の記事をご覧ください。
このようにして得られたCUREの計算上のリターンと現実のリターンを表にまとめると、以下のようになります。

ここからわかることは、
CUREでは、L倍レバレッジETFのリターンを表す式の精度が極めて高い。
設定から間もない2012年も、コロナショックがあった2020年も、計算値と実際のリターンの誤差は極めて少ないです。流動性が高いSPXLやTQQQでさえ、2020年は数%の誤差がありました。
σが低いのが一因かと思いきや、実際にはXLVとS&P 500のσにそれほど差はなく、むしろS&P 500の方が小さい年もあります(S&P 500とQQQのσは、表の上の記事のリンク先にあります)。
ただ式の精度の高さは、CUREのディフェンシブな側面と無関係ではないと思います。
数式でCUREのリターンを極めて高精度に予測できるなら、投資判断にも役立つのではないでしょうか。
終わりに:レバレッジETFにおける配当の関与
さて、本記事の目的はCUREにおいてL倍レバレッジETFのリターンを表す式が成立するかを調べることでしたが、その中で確信したことがあります。
レバレッジETFのリターンには、インデックスから出る配当も上乗せされる。
例えばXLVから分配金が出た場合、それも反映されてCUREの価格が上がるという意味です。
XLVは比較的分配金が多いETFです。仮にXLVの分配金が年2%で、それが一切CUREに含まれないとしましょう。
そうなると配当込みリターンRはインデックス価格より2%程度高い数値になるため、計算値は現実のリターンより大きくなってしまうはずです。
しかし計算式は極めて高い精度で一致しました。ということは、XLVの分配金もしっかりCURE価格に反映されていることが示唆されます。
おそらく他のレバレッジETFでも同じ法則が成立すると考えられ、自分の推定が正しいと確信できました。
参考になれば幸いです。
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