株式投資

グローバル3倍3分法ファンドは今どうなっている?

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

読者の皆様は、「グローバル3倍3分法ファンド」をご存知でしょうか。

2019年ごろ話題になった投資信託で、最大の特徴は

レバレッジをかけた投資信託の先駆け

というものです。

一時期人気があったのですが、最近は名前を聞くことが減った気がします。そこで、現在の状況を調べてみました。

2020年には、コロナショックとその後の株価回復がありました。
レバレッジ投資信託の特長が機能しているかを見るのに適した時期だったと思います。

ファンドの概要と最近までのパフォーマンスについて解説します。

グローバル3倍3分法ファンドとは

概要

日興アセットマネジメントが販売している投資信託です。

情報は販売会社のページにまとめられています。

「1年決算型」と「隔月分配型」の2つがありますが、ここでは無配で資産額の多い1年決算型を取り上げます。

基本情報(1年決算型)

設定開始日:2018年10月4日

購入時手数料:販売会社が定める率で上限3.3%だが、ネット証券では無料

年間の経費率:信託報酬 0.484% (+その他費用)

純資産総額:約2419.60億円(2021年4月2日現在)

一時期話題になりましたこともあってか、純資産額が約2400億円と非常に大きな額です。
しかも隔月分配型も約1400億円あり、合計すると4000億円近くにもなります。

私がジュニアNISAで投資している大人気のeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)でも約1374億円なので、いかに巨額の資金を集めているかがわかります。

資産の内訳

販売会社のサイトの交付目論見書で見ることができるので、引用します。

構成は以下の通りです。

資産の内訳

株式 60%

(日本株式 20%, 海外先進国株式 20%, 海外新興国株式 20%)

REIT 40%

(日本REIT 20%, 海外先進国REIT 20%)

債券 200%

(日本、米国、ドイツ、イギリス、オーストラリアの国債を各40%)

合計 300%

合計が300%になっていることに違和感を持つ方もいるかもしれませんが、そんなことが可能なのは

日本株と債券の部分に先物を使っている

からです。

現物投資をしているのは、先進国株式、新興国株式、日本REIT、先進国REITで、これで合計80%です。

残った20%の部分で、日本株式が20%+債券が200%となるよう先物を購入しているのです。

つまり、この部分のレバレッジは11倍ということです!
安全資産とされる先進国債券とはいえ、債券が下落しても大丈夫なんでしょうか…


パフォーマンス

比較対象

それでは、2021年3月31日現在までのパフォーマンスを見てみましょう。

問題は比較対象です。特殊な投資信託なので連動する指数はありません。

そこでインデックス投資として妥当な全世界株式と比較することにします。株+債券などのバランスファンドと比較するのも一案ですが、今回は割愛します。

全世界株式への投資信託で最近のパフォーマンスが最も良かったのはeMAXIS Slim全世界株式ですが、グローバル3倍3分法ファンドの方がわずかに先に販売開始になっています。

そこで、より古くからある楽天VTと比較します。

設定以来

まずは設定日である2018年10月4日以降の比較です。

(初日を10000円に合わせる)

全期間で比較するとグローバル3倍3分法ファンドの勝ちです。特に2020年始め頃までは全世界株式を圧倒していることがわかります。

以下はグローバル3倍3分法ファンドのグラフですが、2019年5月ごろから純資産額が急増しています。

全期間でのパフォーマンス比較は以下の通りです。

全期間パフォーマンス

グローバル3倍3分法ファンド
上昇率 +42.7%
最大ドローダウン -37.08%

楽天VT
上昇率 +29.6%
最大ドローダウン -34.58%

グローバル3倍3分法ファンドはパフォーマンスが高く、さらい3倍のレバレッジをかけているにも関わらず最大ドローダウンは全世界株式とほとんど変わりません。

したがって期間全体を見れば実力を発揮したと言えるでしょう。

コロナショックの底から

次に、コロナショックの底である2020年3月19日から2021年3月31日までのパフォーマンスを比較してみましょう。

なお、本来であれば期間を恣意的に切り取ることに意味はありませんが、説明上あえてこの期間を選びます。

グラフは以下の通りです。

(3月19日を8559円に合わせる)

グローバル3倍3分法ファンドは概ね全世界株式に近い動きをしています。ただし2021年の2月頃には下落し、全世界株式を下回りました。

コロナショックの底以降の上昇率

グローバル3倍3分法ファンド +66.7%

楽天VT +75.8%

それも一因でしょうか、最近純資産額は下落の一途をたどっています。

パフォーマンス低下の要因

パフォーマンス低下の原因は構成するアセットの値動きを見ればわかります。販売会社のこの資料でそれぞれのアセットの価格推移が公開されています。

これによると、2月ごろから債券価格が下落しているのがわかります。

2020年2月には米国長期金利の上昇が見られました。金利が上昇すれば債券価格が下落することはご存知だと思います。

今後金利が低下すればグローバル3倍3分法のパフォーマンス改善が期待できますが、世界的に低金利が常態化しつつある時代であり(日本化: Japanificationとも呼ばれるそうです)、長い目で見た債券価格の上昇余地は少ないかもしれません。



終わりに

私はグローバル3倍3分法ファンドを購入したことはありませんし、今後も購入する予定はありません。これよりも全世界株式か全米株式を購入すると思います。

この投資信託について感じることがあります。

個人が自己責任の範囲で何に投資しようと自由です。それはグローバル3倍3分法についても同じだと思います。

しかし投資においては、以下のルールを守るのが得策だと思います。

  • 人気があるからといって安易に手を出してはいけない。
  • 理解できていないのに安易に手を出してはいけない。

グローバル3倍3分法は話題となり、純資産は減少傾向とはいえまだ巨額です。

しかし債券の割合が高い上、先物の部分に11倍のレバレッジがかけられていて、金利が上昇したら価格が大きく下落する可能性があることを、きちんと理解して買った人はどのくらいいるでしょうか。

レバレッジETFのブログを書いている私が言うのも何ですが、インターネットではいろいろな投資法が紹介されていて、中には魅力的に映る投資法もあります。

しかし、自分の頭で考えずに行っていいのは、基本であるインデックス投資ぐらいだと思うのです。

きらびやかな投資のパフォーマンスに目を奪われることなく、基本を見失わないようにしたいですね。自戒も込めて。

投資はくれぐれも自己責任で。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 2019年生まれの息子の子育て中。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

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