レバレッジETFとビットコインに投資しています。
今回の記事は、投資家なら誰もが知るダウ平均株価と、それに投資できる商品についてです。
なおこの記事の内容は、投資信託のNYダウ・トリプル・レバレッジの紹介記事の前半部分として公開する予定でしたが、長くなったため2つに分けることにしました。
NYダウ・トリプル・レバレッジなど、ダウ平均株価にレバレッジをかける方法については次回記事で紹介します。
目次 (クリックでジャンプ)
ダウ平均株価とは
読者の皆様はご存知かと思いますが、簡潔に説明します。
ダウ平均株価は米国の代表的な株価指数です。
もともとダウ・ジョーンズ社が公表していましたが、現在ではS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社 (英語名はS&P Dow Jones Indices LLC)が算出しています。
実はダウ平均株価は複数あります。
- ダウ工業株30種平均
- ダウ輸送株20種平均
- ダウ公共株15種平均
- 上の3つを合わせた、ダウ総合65種平均
このうち、経済ニュースで聞くのはほとんどが①の「ダウ工業株30種平均」です。これが最も有名な指標であり、以下で解説します。
ダウ工業株30種平均
ニュースでは略して「NYダウ」「ダウ平均」とも呼ばれます。英語の正式名称はDow Jones Industrial Average (DJIA) , 略してDow Jonesとも呼ばれます。
以下では単に「ダウ平均」と表記します。
アメリカの大型企業30社で構成される、株価平均型の指数です。つまり、ドルで表される30社の株価を単純に合計して係数で割った指数です。
S&P 500やナスダック100の時価総額加重平均型とは異なった計算法です。
名前には「工業株」とついていますが、現在では工業関連以外の株も含まれえています。
2021年4月30日現在の構成銘柄は以下の通りです。
3M、アメリカンエキスプレス、アムジェン、アップル、ボーイング、キャタピラー、シェブロン、シスコ、コカコーラ、ダウ、ゴールドマンサックス、ホームデポ、ハネウェル、IBM、インテル、ジョンソン&ジョンソン、JPモルガン・チェース、マクドナルド、メルク、マイクロソフト、ナイキ、P&G、セールスフォース、トラベラーズ、ユナイテッド・ヘルス、ベライゾン、ビザ、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、ウォルマート、ウォルト・ディズニー
(最新情報はこちら)
古くからある大型で優良な企業が多いです。
逆に、以下のハイテク企業は今のところ組み込まれていません。
Google、テスラ、Facebook、Amazon、NVIDIAなど
銘柄は定期的に入れ替えられます。組み込みに明確な基準はなく、実績や収益性や将来性、健全な財務基盤などを元に選ばれているとのことです。
だからダウ平均はどちらかというとアクティブファンドの要素の方が強いかもしれません。
DIA
ここからはダウ平均にレバレッジをかけずに投資する商品を紹介します。まずはETFのDIAです。
概要
正式名称は以下の通りです。
State Street社が販売しているSPDR®シリーズの1つです。
ダウ平均に連動するので、当然構成銘柄はダウ平均と同じ30社です。
設定時期
1998年1月13日と、かなり歴史のあるETFです。
配当利回り
DIAは毎月分配金を出しています。
これは株式のETFではなかなか見られない特徴です。
インカム目的で持つという手もあるかもしれません。ただし分配金の額は月によりまちまちです。
2021年4月30日現在、配当利回りは1.78%とまずまずです。
経費率
0.16%とそれほど高くありません。
流動性
純資産 257.9億ドル
平均出来高 4,097,123
(2021年4月30日現在)
流動性は十分と言えるでしょう。
ダウ平均に連動する国内ETF
国内に上場していて日本円で購入できるダウ平均連動型ETFもあります。代表的なものを2つ紹介します。
上場インデックスファンド米国株式(ダウ平均)為替ヘッジあり(2562)
為替ヘッジありのETFで、信託報酬は0.3%です。
NEXT FUNDS ダウ工業株30種平均株価 連動型上場投信(1546)
こちらは為替ヘッジなしのETFです。信託報酬は0.45%です。
2021年4月30日現在、どちらも純資産は100億円以上あります。ただし日によっては1日の出来高は数千程度しかなく、流動性が低い点に注意が必要です。
国内ETFのメリットは、信用取引ができるという点でしょうか。
信用買いや信用売りはDIAや投資信託ではできないので、そうしたい場合は国内ETFを使うしかありません。
iFree NYダウ・インデックス
ダウ平均に連動する投資信託は複数ありますが、最も経費率の低いiFree NYダウ・インデックスのみを紹介します。
大和アセットマネジメントが販売している投資信託です。
詳細はこちらのページをご覧ください。
設定開始日:2016年9月8日
購入時手数料:徴収している販売会社はなく、無料
年間の経費率:0.2475%(税込)
純資産総額:約250億円(2021年4月30日現在)
為替ヘッジなしの商品です。経費率は許容範囲内だと思います。
設定開始日から分配金を出していません。内部で自動再投資してくれていることになります。
他の記事で解説した通り、投資信託の流動性はETFに劣ります。
一方日本円で定額分購入できる、分配金自動再投資などのメリットもあり、メリットを生かした使い方が望ましいでしょう。
ダウ平均のパフォーマンス
DIAのパフォーマンスを、S&P 500、ナスダック100(QQQ)と比較してみましょう。
まずは長期です。QQQの設定が1999年なので、2000年から2021年4月までを比較します。

QQQ(赤)はITバブル崩壊で80%以上下落したのに対し、DIA(青)はそれほど影響を受けず、その後長期間S&P 500(橙)をリードし続けました。
QQQが2020年に急上昇したため差が一気に縮まりました。
今度は、ハイテクが躍進した2010年以降で見てみましょう。

パフォーマンスはQQQが圧倒的です。DIAは2020年までS&P 500といい勝負でしたが、2020年にややS&P 500に水を開けられました。
コロナショック後のハイテク中心の驚異的な回復に及ばなかったようであり、コロナショックでボーイングが大打撃を受けたのも影響したと思われます。
まとめると以下の通りです。
ダウ平均はかつては市場平均を上回る傾向があったが、2010年以降はハイテクの躍進によりナスダック100に劣り、最近では市場平均にもやや劣る傾向にある。
ダウ平均に投資すべきか
以上、ダウ平均の過去のパフォーマンスを確認しましたが、投資すべきかどうかを判断するためには未来を予想する必要があります。
アクティブ色の強い指数としては、長年市場平均を上回ったという点で大健闘だったのではないでしょうか。ただ、どちらかというとオールドエコノミー型の企業が多く、最近のGoogleやAmazonなどのハイテクの急成長を享受できませんでした。
セクターローテーションもあるので時期によってはパフォーマンスが高くなるかもしれません。実際、2021年3月には金利上昇の影響でハイテク株が下落し、ダウ平均が他の指数を上回りました。ただこの傾向がいつまでも続くとは考えにくいと思います。
GoogleやAmazon、テスラなどがダウ平均に組み込まれるかどうか、またいつ組み込まれるかは未知数です。ナスダック100に負けるのは仕方ないとしても、ハイテクの恩恵を受けられなければ今後S&P 500を継続的に下回る可能性もあります。
インデックス投資は市場全体に投資するのが基本であり、その観点からはダウ平均は条件を満たしていません。
私はあえてダウ平均に投資せず、S&P 500か全世界株式を選びます。
ただしレバレッジが絡むと話が変わります。
日本円で株価指数に3倍のレバレッジをかけられる投資商品はほとんどありませんが、NYダウ・トリプル・レバレッジはそれが可能な数少ない投資信託の1つです。
これについては次回解説しますのでお楽しみに。
投資はくれぐれも自己責任で。
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