レバレッジETF

レバレッジETFの仕組みと追証がない理由

東大医学部卒医師のカガミルです。
投資戦略「レバレッジド・コア・サテライト」によりナスダック100に投資をしています。

「レバレッジド・コア・サテライト」についてはこちらをご覧ください。

このように私はレバレッジETFであるTQQQとQLDに投資をしています。

レバレッジETFについての知識のある方の中には、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

読者様

レバレッジETFは減価するから長期投資に向かないのでは?

確かにレバレッジETFはレンジ相場では価格が下落していきます。それがいわゆる「減価」です。
そして、レバレッジをかけた投資法は他にもあります。

この記事では、初心者向けにレバレッジETFのしくみを解説します。その上で他の投資法と比較し、なぜ私がレバレッジETFに投資をするのかを解説します。

レバレッジETFの仕組み

まずは基本的な仕組みの解説です。指数であるナスダック100と、その3倍レバレッジETFであるTQQQを例に取ります。

TQQQの1日の変動率はナスダック100の約3倍となります。
例えばナスダック100が1%上昇すれば約3%上昇し、逆にナスダック100が1%下がった場合には約3%下落します。

注意していただきたいのは、1日ごとの変化率は3倍でも長期では3倍にならないという点です。
1年でナスダック100が上下変動を繰り返しながら10%上昇した場合、TQQQの上昇率は30%未満になる可能性が高いです。これは後述する「減価」という現象です。

レバレッジETFはどのように3倍の変動を実現しているのでしょうか。それは、先物を持つことで資産の3倍のポジションを取っているのです。
(実際には債券などを含む場合もあります。)

そして日々の変動が指数の3倍となるよう、先物を毎日売買しているのです。

レバレッジETFの信託報酬は1%前後とレバレッジのないETF(例えばVOOやQQQ)より高いですが、これは毎日レバレッジを調節する手数料も含むためです。

さらに先物を購入するために借金をするので、その金利を負担しないといけません。信託報酬に加え、金利の分パフォーマンスは下がります。

2021年現在は低金利のためそれほど影響を受けませんが、今後金利が上昇した際はレバレッジETFのリターンが低下する可能性が高く、注意が必要です。

レバレッジETFの倍率は3倍のものばかりではなく、QLDやCWEB、UBOTのように2倍のものもあります。
また相場と同じ方向に動く物以外に、インバース型といって相場と逆の動きをするタイプもあります。例えば相場が1%上昇した場合に3%下落するという具合です。使いどころはありますが上級者向きだと思うので省略します。



レバレッジETFの減価

レバレッジETFでは、いわゆる「減価」が問題になります。

なお、「減価」という表現は適切でないという議論もありますがここでは深入りしません。

noteの記事に書きましたが、ナスダック100(QQQ)の値動きを元にTQQQを計算した図は以下の通りです。

上昇相場や下落相場では後述する信用取引/CFDよりリターンが大きいです。しかしレンジ相場ではQQQが元の価格に戻っても、TQQQは10%以上下落しています。

これが、いわゆる「減価」です。信用取引/CFDではこのような「減価」は生じません。



レバレッジをかける他の方法

レバレッジETF以外にも、レバレッジをかけるには以下の方法があります。

  1. 信用取引
  2. CFD (Contract for Difference)
  3. 実際にローンを組む

信用取引

現金などを担保として差し入れてその数倍の額の取引をするという投資法で、日本の証券会社では約3.3倍の取引ができます。
東証に上場している以下のいずれかの商品を信用口座で購入することで、ナスダック100にレバレッジをかけることができます。

1545 – NEXT FUNDS NASDAQ-100®連動型上場投信

2568 – 上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジなし

買いだけではなく売りから入ることもできますが、今回は買う場合だけを取り上げます。

CFD

現金を証拠金として差し入れて差金決済をする投資法です。仕組みは信用取引と似ていますが、実際の株を取引するのではなく、売買価格の差額に相当する金額のみをやりとりするという点が異なります。
本質的な部分は信用取引と同じなので、合わせて解説します。

実際にローンを組む

住宅ローンなどのように適切な借金もありますが、株に投資するために借金をするのは到底推奨できないので省略します。



レバレッジETFで追証が発生しない理由

シミュレーション

話をシンプルにするために、ナスダック100が以下のように動いたとします。

購入日 100ドル
1日後 90ドル
2日後 80ドル
3日後 70ドル
4日後 60ドル

(説明のため極端な下落幅にしていますが、実際にはこれほど急落することは考えにくいです。)

元手は100ドルとして、

  • 現物取引
  • 信用取引/CFD(レバレッジは3倍)
  • レバレッジETF

それぞれの評価額の推移を見てみましょう。

現物取引

評価額は以下の通りで、指数と同じ値動きをします。なお()内には前日と比較して何%下落したかを示していますが、これは後でレバレッジETFの計算の際に使います。

購入日 100ドル
1日後 90ドル (-10%)
2日後 80ドル (-11.1%)
3日後 70ドル (-12.5%)
4日後 60ドル (-14.3%)

ナスダック100がマイナスになることは現実的にあり得ないので、現物取引なら借金をせずに済みます。

信用取引/CFD

元手100ドルでレバレッジは3倍とすると、300ドル分購入できます。
なお信用取引やCFDでは毎日金利がかかりますがシミュレーションでは無視します。

保有し続けると評価額は以下のようになります。

購入日 100ドル
1日後 100 – 30 = 70ドル
2日後 70 – 30 = 40ドル
3日後 40 – 30 = 10ドル
4日後 10 – 30 = -20ドル(⬅︎ここまでに強制ロスカットまたは追証!)

図で示すと以下のようになります。

このように、借金の部分(200ドル)は期間を通じて一定です。
そのため信用取引やCFDで3倍のレバレッジをかけると、指数の3倍の下落率をもろにくらってしまう形となります。

4日後には口座内の評価額がマイナスになりました。実際にはそこに至るまでに強制ロスカットになりますが、相場が急変してロスカットが間に合わなかった場合には追証が発生します。

そして恐ろしいのは、元本が大きいほど追証の絶対額が大きくなるということです。
上記の例で、元本が100ドルなら追証が20ドルだとしましょう。元本が100万円なら追証は20万円、1億円なら2000万円にもなるのです。

レバレッジETF

TQQQの最初の価格は100ドルとして、1株買って保有し続けるとします。なお信託報酬は無視します。

日々の変化割合は現物取引の3倍なので、評価額は以下のようになります。

購入日 100ドル
1日後 100 × (1-0.1×3) = 70ドル
2日後 70 × (1-0.111×3) = 46.7ドル
3日後 46.7 × (1-0.125×3) = 29.2ドル
4日後 29.2 × (1-0.143×3) = 16.7ドル

このように、信用取引/CFDとは違い、レバレッジETFは決してマイナスになることはありません。

それはなぜか。図で示すと以下のようになります。

信用取引/CFDの図と比較してみてください。
信用取引/CFDでは借金が一定額なのに対し、レバレッジETFでは借金が資産の2倍となるようだんだん縮小しているのがおわかりでしょう。

このようにレバレッジETFは、下落相場では毎日先物をロスカットして倍率を一定に調節してくれるのです。
だから追証が発生することはなく、借金を負わずにすむのです。

ナスダック100が1日で33.4%以上下落した場合には、TQQQの価格は理論上マイナスになります。
しかしサーキットブレーカーが働くため事実上ありえないと考えてよいでしょう。

割愛しますが、上昇相場を図に表すとどうなるでしょうか。
上昇相場では毎日先物を追加購入し、借金の部分がだんだん大きくなります。これが複利の効果を発揮するので、信用取引/CFDよりも大きく価格が増加するのです。



借金のリスクがないことの大切さ

このように、レバレッジETFにはメリットもデメリットもあります。

私があえてレバレッジETFを選んでいるのは、借金をする心配がないからです。

もちろん考えは人それぞれであり、減価を好まないから信用取引やCFDを選ぶというのも立派な選択肢です。ロスカットラインをきちんと設定すればリスク管理ができ、現実問題追証が発生することはないと言えるでしょう。

しかし、相場急落時にたまたま証券会社のシステムトラブルが生じ、ロスカットが作動しない可能性もないとはいえません。
結果、多額の追証が発生してしまうかもしれないのです。

さらに、もっと大切なことがあります。

それは、人間はいつどうなるかわからないということです。

事故や事件に巻き込まれて死ぬかもしれない。命は助かっても、意思疎通が全くできなくなるかもしれない。

自分がそうなってしまい、証券会社の口座がそのままになったら、口座でトラブルが起きても対処しようがないのです。最悪、家族に借金を背負わせてしまうかもしれません。

先述の通り、信用取引/CFDでは元本が大きいほど追証の絶対額が大きくなります。だから投資金額が増えればレバレッジを下げるなどリスク管理をしなければなりません。

一方レバレッジETFなら借金を背負うことがないため、LECポートフォリオなら資産額が100万円だろうと1000万円だろうと1億円だろうと同じ運用ができます。

私がいつどうなるかわからないから、口座を放っておいても借金が生じないようにしたい。守るべき家族がいるから、私は以前やっていたFXの自動売買をやめましたし、レバレッジETFの欠点に目をつぶって投資をするのです。

1つの考え方ですが、参考になれば幸いです。

投資はくれぐれも自己責任で。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 2019年生まれの息子の子育て中。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

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