株式投資

レバレッジETFの「減価」の本当の意味

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

今回は、よく言われるレバレッジETFの「減価」について解説します。

前回記事で「減価」を「上下変動の複利により現れる価格低下」のことだと書きましたが、これはレバレッジETFの減価とは全く異なる概念です。

本当の意味でのレバレッジETFの減価は、価格ではなく価値そのものが減少することだとイメージしてください。言い換えれば「レバレッジETFの中身」の減少です。

インデックスは減価しないが、レバレッジETFは減価する

というのが正しいです。

以下解説しますが、ここではわかりやすく説明することに重点を置いているので、厳密な議論ではない点はご理解ください。

レバレッジETFの価値とは

基準となるインデックスが変化すれば、レバレッジETFの価格は毎日変化します。しかし、レバレッジETFの価格だけではなく「価値」にも注目しなければいけません。

ここでは「価値」を、「レバレッジETFの中身」と捉えることにします。簡単のため、

レバレッジETFが、対応する1倍ETF何枚分に相当するか

と解釈します。

具体的な数値を挙げて説明します。

ある日、TQQQとQQQがともに100ドルだったとします。この場合、TQQQに含まれるQQQは3枚と言えます。

なぜならTQQQ1枚は元手100ドルと借金部分200ドルから成り、前者に対応するQQQが1枚、後者に対応するQQQが2枚となるからです。

ここで、「TQQQがQQQ何枚分に相当するか」を「TQQQの中身」と定義します。この場合だと、TQQQの中身はQQQ3枚です。

そして、

減価とは、「レバレッジETFの中身」が減ること。

という結論を導きます。



「レバレッジETFの中身」の減少

まずは下落相場を取り上げます。

こちらの記事に書いたレバレッジETFの下落時の値動きの図が参考になります。

実際に考えるのは、前回記事でのこちらの「下落相場」です。

下落相場の価格変化

QQQの価格:100→90→80→75→70

TQQQの価格:100→70→46.7→37.9→30.3

購入日(0日後)には先述の通りTQQQの中身はQQQ3枚(元本部分が1枚、借金部分が2枚)です。

1日後には、TQQQの価格は70ドルになってしまいました。この日のQQQは90ドルなので、TQQQの元本に相当する部分のQQQは0.78枚となります(70÷90≒0.78)。その後リバランスされると、TQQQの借金部分に対応するQQQは2枚→1.56枚となります。

よって、TQQQの中身はQQQ 0.78枚(+1.56枚)となります。

なおカッコ内が借金の部分で、枚数は小数点第2位以下を四捨五入します。

このように計算した結果を示します。

TQQQの中身(QQQの枚数)

0日後 1枚(+2枚)

1日後 0.78枚(+1.56枚)

2日後 0.58枚(+1.17枚)

3日後 0.51枚(+1.01枚)

4日後 0.43枚(+0.87枚)

このように、相場下落によりTQQQの中身が1枚→0.43枚と減ってしまいました。

レバレッジETFの価格が下がっただけでなく、中身そのものが減ったことになります。

ここで、上の「レンジ相場」で同じように計算した結果を示します。

レンジ相場の価格変化

QQQの価格:100→110→100→90→100

TQQQの価格:100→130→94.5→66.2→88.2

TQQQの中身(QQQの枚数)

0日後 1枚(+2枚)

1日後 1.18枚(+2.36枚)

2日後 0.95枚(+1.89枚)

3日後 0.74枚(+1.47枚)

4日後 0.88枚(+1.76枚)

レンジ相場でもTQQQの中身は1枚→0.88枚と減っています。

このように、レンジ相場でもレバレッジETFの中身が減るのです。

それに対してインデックス型ETFであるQQQの中身は常にQQQ1枚分であり、決して変化しません。

下落相場やレンジ相場では、「レバレッジETFの中身」が減少する。

・インデックスの中身はどんな相場でも変化しない。



「レバレッジETFの中身」の増加

では、上の「上昇相場」ではどうでしょうか。

上昇相場の価格推移

QQQの価格:100→110→120→130→140

TQQQの価格:100→130→165.5→206.8→254.5

TQQQの中身(QQQの枚数)

0日後 1枚(+2枚)

1日後 1.18枚(+2.36枚)

2日後 1.38枚(+2.76枚)

3日後 1.59枚(+3.18枚)

4日後 1.82枚(+3.64枚)

上昇相場ではTQQQの価格が上昇するだけでなく、TQQQの中身が増えています。

このように、上昇相場では「レバレッジETFの中身」が増加します。



まとめ

以上を踏まえ、「増価」「減価」を下のように捉えるとわかりやすいのではないでしょうか。

レバレッジETFの用語

増価:「レバレッジETFの中身」が増えること

減価:「レバレッジETFの中身」が減ること

例えば、2009年以降のS&P 500とSPXLのチャートを見てみましょう。

12年でS&P 500(水色)は約5.6倍、SPXL(青)は約35.0倍となりました。トータルではSPXLの中身が増えていることになり、増価が生じていることになります

・レバレッジETFの減価とは、価格ではなく「レバレッジETFの中身」が減ること。

・この意味で、インデックスはどんな相場でも減価しない。

・減価がつきもののレバレッジETFも、相場によっては増価により中身が増える。相場の状況を見ながら有効に使うことで資産増加を加速させられる可能性がある。

減価があってもリターンが得られるなら使ってよいと思いますし、私も引き続き投資するつもりです。

投資はくれぐれも自己責任で。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 2019年生まれの息子の子育て中。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

POSTED COMMENT

  1. Voyager より:

    こんにちは。
    私は減価の説明が誤っていたとは思いませんよ。
    減価という言葉の定義が一般的にわかりにくいことが問題なんだと思います。
    減価には、複利効果の視点とリバランスに関する視点があります。
    複利効果で考えれば、同一%での上下動を経た場合、インデックスも減価する場合があります。先物リバランスでの日次レバレッジは、高く買って安く売った場合、枚数減少につながります。
    説明されたとおり、その二種類の意味が減価に含まれるということだと思います。

    • カガミル より:

      >Voyagerさん
      コメントありがとうございます。
      「減価」をどう解釈するかにもよりますね。ブログで解説するには難しい内容でした。

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