株式投資

レバレッジETFが減価すると「中身」が減る

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

今回は、レバレッジETFの「減価」について解説します。

減価とは、レバレッジETFのリターンが、対応するインデックスよりも低下することです。よく指摘されるのは、逓減が起きるレンジ相場です。

減価によりレバレッジETFの価格は当然低下しますが、加えて「価値」そのものが減少しています。

この記事では

減価で「価値」=「中身」が減少する

という点について解説していきます。

わかりやすさを優先したため、減価の厳密な定義と比べると不正確な点があるかもしれませんが、ご理解ください。

価格が10%上昇後に10%下落すれば、

1.1 × 0.9 = 0.99

と1より小さくなります。

このような「上下変動の複利により現れる価格低下」を減価ととらえ、レバレッジETFだけではなくインデックスも減価するとする意見があります。

しかしレバレッジETFの減価は、この記事で解説している内容と取るのが適切です。

インデックスは減価しないという点は押さえておいてください。

レバレッジETFの価値とは

基準となるインデックスが変化すれば、レバレッジETFの価格は毎日変化します。しかし、レバレッジETFの価格だけではなく「価値」にも注目しなければいけません。

ここでは「価値」を、「レバレッジETFの中身」と捉えることにします。簡単のため、

レバレッジETFが、対応する1倍ETF何枚分に相当するか

と解釈します。

具体的な数値を挙げて説明します。

ある日、TQQQとQQQがともに100ドルだったとします。この場合、TQQQに含まれるQQQは3枚と言えます。

なぜならTQQQ1枚は元手100ドルと借金部分200ドルから成り、前者に対応するQQQが1枚、後者に対応するQQQが2枚となるからです。

ここで、「TQQQがQQQ何枚分に相当するか」を「TQQQの中身」と定義します。この場合だと、TQQQの中身はQQQ3枚です。

そして、

減価とは、「レバレッジETFの中身」が減ること。

という結論を導きます。



「レバレッジETFの中身」の減少

まずは下落相場を取り上げます。

こちらの記事に書いたレバレッジETFの下落時の値動きの図が参考になります。

実際に考えるのは、前回記事でのこちらの「下落相場」です。

下落相場の価格変化

QQQの価格:100→90→80→75→70

TQQQの価格:100→70→46.7→37.9→30.3

購入日(0日後)には先述の通りTQQQの中身はQQQ3枚(元本部分が1枚、借金部分が2枚)です。

1日後には、TQQQの価格は70ドルになってしまいました。この日のQQQは90ドルなので、TQQQの元本に相当する部分のQQQは0.78枚となります(70÷90≒0.78)。その後リバランスされると、TQQQの借金部分に対応するQQQは2枚→1.56枚となります。

よって、TQQQの中身はQQQ 0.78枚(+1.56枚)となります。

なおカッコ内が借金の部分で、枚数は小数点第2位以下を四捨五入します。

このように計算した結果を示します。

TQQQの中身(QQQの枚数)

0日後 1枚(+2枚)

1日後 0.78枚(+1.56枚)

2日後 0.58枚(+1.17枚)

3日後 0.51枚(+1.01枚)

4日後 0.43枚(+0.87枚)

このように、相場下落によりTQQQの中身が1枚→0.43枚と減ってしまいました。

レバレッジETFの価格が下がっただけでなく、中身そのものが減ったことになります。

ここで、上の「レンジ相場」で同じように計算した結果を示します。

レンジ相場の価格変化

QQQの価格:100→110→100→90→100

TQQQの価格:100→130→94.5→66.2→88.2

TQQQの中身(QQQの枚数)

0日後 1枚(+2枚)

1日後 1.18枚(+2.36枚)

2日後 0.95枚(+1.89枚)

3日後 0.74枚(+1.47枚)

4日後 0.88枚(+1.76枚)

レンジ相場でもTQQQの中身は1枚→0.88枚と減っています。

このように、レンジ相場でもレバレッジETFの中身が減るのです。

それに対してインデックス型ETFであるQQQの中身は常にQQQ1枚分であり、決して変化しません。

下落相場やレンジ相場では、「レバレッジETFの中身」が減少する。

・インデックスの中身はどんな相場でも変化しない。

中身ではなく価格そのものに注目することもできます。

このように上下変動によりレバレッジETFの価格が下落していくことは、「逓減」と呼ぶのが適切だと思います。



「レバレッジETFの中身」の増加

では、上の「上昇相場」ではどうでしょうか。

上昇相場の価格推移

QQQの価格:100→110→120→130→140

TQQQの価格:100→130→165.5→206.8→254.5

TQQQの中身(QQQの枚数)

0日後 1枚(+2枚)

1日後 1.18枚(+2.36枚)

2日後 1.38枚(+2.76枚)

3日後 1.59枚(+3.18枚)

4日後 1.82枚(+3.64枚)

上昇相場ではTQQQの価格が上昇するだけでなく、TQQQの中身が増えています。

このように、上昇相場では「レバレッジETFの中身」が増加します。



まとめ

以上を踏まえ、「増価」「減価」を下のように捉えるとわかりやすいのではないでしょうか。

レバレッジETFの用語

増価:「レバレッジETFの中身」が増えること

減価:「レバレッジETFの中身」が減ること

例えば、2009年以降のS&P 500とSPXLのチャートを見てみましょう。

12年でS&P 500(水色)は約5.6倍、SPXL(青)は約35.0倍となりました。トータルではSPXLの中身が増えていることになり、増価が生じていることになります

・レバレッジETFの減価により、価格だけではなく「レバレッジETFの中身」が減る。

・この意味で、インデックスはどんな相場でも減価しない。

・減価がつきもののレバレッジETFも、相場によっては増価により中身が増える。相場の状況を見ながら有効に使うことで資産増加を加速させられる可能性がある。

減価があってもリターンが得られるなら使ってよいと思いますし、私も引き続き投資するつもりです。

投資はくれぐれも自己責任で。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 2019年生まれの息子の子育て中。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

POSTED COMMENT

  1. Voyager より:

    こんにちは。
    私は減価の説明が誤っていたとは思いませんよ。
    減価という言葉の定義が一般的にわかりにくいことが問題なんだと思います。
    減価には、複利効果の視点とリバランスに関する視点があります。
    複利効果で考えれば、同一%での上下動を経た場合、インデックスも減価する場合があります。先物リバランスでの日次レバレッジは、高く買って安く売った場合、枚数減少につながります。
    説明されたとおり、その二種類の意味が減価に含まれるということだと思います。

    • カガミル より:

      >Voyagerさん
      コメントありがとうございます。
      「減価」をどう解釈するかにもよりますね。ブログで解説するには難しい内容でした。

      • メガリス より:

        中身が減ると、ベンチマークに対する日々の値動き3倍に追随出来なくなり、基準価額が計算上の数値より低くなっていくとの意味でしょうか?
        中身が増えようと減ろうと、運用会社は先物使ってうまく調整していくんじゃないですか?
        出来なければ、トラッキングエラーなので。
        このあたりが未だよく分かっていません。

        • カガミル より:

          中身が減るとは、TQQQ価格が計算上の数値より低くなるという意味ではありません。仮にTQQQがNASDAQ100の日々の値動きに正確に3倍に追随したとしても(=計算通りに動いたとしても)、中身(NASDAQ100の先物)は減ります。トラッキングエラーとは別物です。
          うまく説明できずすみません。「中身」の意味がわからなくても、実際に売買して利益が得られるなら問題ないです。

  2. メガリス より:

    購入者からは運用会社内の資産が減価していようがいまいが、基準価額が設計通りの3倍値動きしていてくれれば問題ないのではないでしょうか。運用側が中身の構成や運用ルール変えてでも3倍値動きから外れない様にがんばると思うのです。
    値動きが設計通りならカガミルさんがおっしゃる逓減のダメージしか購入者側からは見えません。複利によるブーストされた下落のダメージです。
    逓減のダメージ以外に、目に見える不利益が生じるのでしょうか?

    • カガミル より:

      おっしゃる通り、設計通りの値動きなら「減価」を気にする必要はありません。頭の中で考えた概念だとお考えください。

  3. メガリス より:

    ありがとうございます!
    いつも勉強させていただいています

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