株式投資

暴落時はインデックスを売ってレバレッジETFを買え(前編)

カガミルです。
レバレッジETFとビットコインに投資しています。

レバレッジETFの理想的な買い方は、

相場が暴落して大幅に値下がりした時に買う

というものです。大きなリターンを期待するならなおさらです。

普段から現金余力を残しておけば、ここぞという時にレバレッジETFを購入することができます。

しかし皆様の中には

投資家

暴落してチャンスなのに、

フルインベストなので手持ち現金がない…

と、買い増しができない方もいらっしゃるかもしれません。

そういう時、インデックス投資家なら

インデックスを売ってレバレッジETFを買う

という方法があります。

この記事ではそのメリットと注意点について解説します。

この方法はある程度の投資経験がある人を対象としています。

初心者がいきなり手を出すのはお勧めしませんので、ご注意ください。

暴落時はレバレッジETFのバーゲンセール

インデックス投資にはETFも投資信託もあり、対象も全米株式だったり全世界株式だったり人それぞれですが、ここでは

インデックス投資:VOO

レバレッジETF:SPXL

として説明します。

SPXLは「Direxion デイリー・S&P 500・ブル3倍ETF」のことで、日々の変動がS&P 500の3倍となるように設計されたレバレッジETFです。

このブログの読者の方はご存知だと思いますが念のため。

それ以外のETFを売買するケースは後編で紹介します。

まずは相場が動いた時の変化を、VOOとSPXLで比較してみましょう。

インデックスがある程度の期間をかけて一方向に動いた場合、レバレッジETFの変化率は概ね表のようになります。

上の表はおおよその傾向にすぎません。相場が上下変動を繰り返しながら推移した場合はいわゆる減価により、レバレッジETFの価格はさらに低下します。

初歩的なことですが、レバレッジETFの変化率は常にレバレッジなしの3倍というわけではありません。基本的な内容を確認したい方はこちらの記事をご覧ください。

実際に、2020年のコロナショック前後のVOOとSPXLの値動きを見てみましょう。

(2月19日を1とする)

VOOが元に戻ってもSPXLは元に戻りませんが、これもレバレッジETFの基本中の基本です。

2月19日(直前のピーク)
VOO 310.92ドル, SPXL 75.83ドル

3月23日(底)
VOO 204.27ドル, SPXL 17.55ドル

8月18日(VOOがピークの水準まで回復)
VOO 311.16ドル, SPXL 54.74ドル

ここから以下のことがわかります。

2月19日には、
VOO 1株を売ってもSPXLは4株しか買えない😢

3月23日には、
VOO 1株を売ればSPXLを11株も買える😆

このように、暴落時にはSPXLの方が大きく下がるので、VOO 1株を売って買えるSPXLの量が大幅に増えます。

暴落時にインデックスを売れば多くのレバレッジETFを買うことができる。

これをうまく利用します。



シミュレーション

以下の条件でシミュレーションしてみましょう。

シミュレーション

VOOを100株持っているインデックス投資家がいる。

コロナショックの底である3月23日に以下の売買をした場合、8月18日の資産額はいくらになるか。

① 売買をしない

② VOOを10%売ってSPXLを買う。

③ VOOを20%売ってSPXLを買う。

注:売買の際に手数料や税金はかからないものとする。

もちろん実際に底を当てるのは難しいですが、多少売買タイミングがずれても似た結果が得られます。

①のケース

8月18日のVOO価格は311.16ドルですので、31116ドルとなります。

2月19日の時点での評価額は31092ドルなので、ほとんど変わりません。

②のケース

3月23日にVOOを10株売るので、2042.7ドルの現金を得られます。
同じ日のSPXLは17.55ドルなので116株購入でき、6.9ドル余ります。

8月18日のVOOとSPXL(54.74ドル)の価格で計算すると評価額34361.14ドルになります。

③のケース

3月23日にVOOを20株売るので、4085.4ドルの現金を得られます。
SPXLは232株購入でき、13.8ドル余ります。

8月18日の評価額は37606.28ドルとなります。

このように、

暴落時にVOOを売ってSPXLを買えば、売買をしない場合と比べ、相場回復後の資産を増やすことができます。

なおSPXLとインデックスを混ぜて保有する場合、全体のレバレッジを把握することをお勧めします。

レバレッジ計算法についてはこちらの記事をご覧ください。

VOO 90%+ SPXL 10%であればレバレッジは1.2倍、

VOO 80%+ SPXL 20%であればレバレッジは1.4倍となります。

SPXLの割合をさらに増やすこともできますが、その分ハイリスクハイリターンになります。



SPXLを買うタイミング

暴落時にSPXLを買えば高いリターンが期待できることはご理解いただけたと思います。

ただしそのためにはある程度安くSPXLを買わなければなりません。どうすればよいでしょうか。

大きく分けて以下の2つの方法があると思います。

  1. 指値で機械的に買う
  2. 相場を予測して裁量で買う

指値で機械的に買う

下落する前に、ピークからどのくらい下がったところでSPXLを買うかを決めておくという方法です。原理的には指値買いと同じです。

例えば以下のように、SPXLの直近のピークからの値下げ幅に応じて3段階で売買すると決めておきます。

ピークから25%下落
→VOOを10%売ってSPXLを買う。

ピークから50%下落
→SPXLが10%になるように、VOOを売ってSPXLを追加買い(リバランス)

ピークから75%下落
→再びSPXLが10%になるようリバランス

大きく下落した場合はSPXLの割合を増やしてもいいでしょう。

たとえばSPXLがピークから75%も下落するのはまたとないチャンスと考えるなら、SPXLを20%にすることもできます。

メリットは以下の通りです。

  • 暴落時に確実にSPXLを買うことができる。
  • 機械的に買うので相場を読む必要がない。

ただしデメリットもあります。

  • 「落ちるナイフを掴む」可能性がある。
  • 想定外の暴落が起きた時、SPXLが購入した価格まで回復しない可能性がある。

コロナショックでは、SPXLは2月19日のピークからわずか6日で25%以上、15日で50%以上下落、23日で75%以上下落しました。
機械的な売買だと急激な下落の際、いわゆる「落ちるナイフを掴む」ことに注意が必要です。

また、レバレッジETFは大暴落(例えば90%以上下落)すると元に戻るのに長い年月を要し、最悪元の水準に戻らない可能性があります(詳しくは後述)。

裁量トレードであれば危険な状況でSPXL買いを見合わせることができますが、機械的な売買ではそうはいきません。

このようにメリットとデメリットを十分理解した上で行うべきでしょう。

相場を予測して裁量で買う

相場を予測して、底に近いと判断した時点でSPXLを買う方法もあります。インデックスが上昇に転じてから買うとより安全かもしれません。

もちろんこれは難しいことで、予想と反対に動くケースもあります。

相場予測にはある程度の経験やセンスが必要ですが、助けになりうる指標を紹介します。

VIXやVVIX/VIX比

いわゆる「恐怖指数」であるVIXと、VIXのボラティリティであるVVIXが役に立つかもしれません。

以前の記事で紹介したのでご覧ください。

上昇したVIXが低下傾向である、VVIX/VIX比が底打ちして上昇傾向となるなどの場合は相場底打ちの可能性があり、SPXL買いを検討してみてはいかがでしょうか。

一目均衡表

日本生まれのテクニカル指標であり、以前の記事で解説しました。

最初はとっつきにくく感じるかもしれませんが、慣れれば読み方がわかるようになります。

基準線が下落から横ばいになる、三役好転のシグナルのうち1つか2つが揃うなど、相場の方向が変わるタイミングを捉えられる可能性があります。色々試してみてください。

その他の指標

MACD, RSI, グランビルの法則など、テクニカル指標はいろいろあります。

すでに慣れたものがある場合は組み合わせて使うのが良いでしょう。

裁量トレードは難しいですが、投資スキルを上げたい方は是非取り組んでみてください。



注意点

「暴落時にインデックスを売ってSPXLを買う」は、適切に行えば優れた投資法ですが、注意点も上げておきます。

税金を考慮していない

上記のシミュレーションでは売買差益にかかる税金を考慮していません。

VOOを売ってSPXLを買う際、VOOに含み益があるなら課税されます。また値上がりしたSPXLを売ってVOOを買い戻したいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合も課税されます。

したがって、得になるかどうかは各自計算してご判断ください。

せっかく安値でSPXLを仕込むことができたなら、少しの利益で売るより、長時間持ち続けた方が大きな利益が得られるかもしれません。十分な利益が乗ってから利確するのもよいでしょう。

また、理想的には含み損のあるインデックスを売った方がよいでしょう。

東大バフェットさんがインデックス商品を複数種持つことで節税する方法を解説されていますので、よかったら参考にしてみてください。

2番底が来るか、二度と回復しない可能性も

インデックスが下落して底打ちしたタイミングで買ったつもりでも、さらに2番底を目指して下落する可能性があります。

またSPXLなどのレバレッジETFはインデックスとは違い、暴落すると2度と元の価格まで戻らない場合があります

以前解説した擬似SOXLのシミュレーションはまさにその例です。

このような状態になると、何年間持ち続けても報われません。

したがって、自分にとってのリスクが過剰にならないようSPXLの割合を考えた方がよいでしょう。

リスクを取る必要があるか

この話も以前ブログでお伝えしました。

投資ではいつまでにどれくらいのリターンを求めるのかをよく考え、必要以上にリスクを取らないことが重要です。

極端な話、すでに10億円分のインデックスを運用している人ならそのまま持ち続ければよく、わざわざレバレッジをかけて高いリターンを狙う必要性は薄いのではないでしょうか(投資の目的にもよりますが)。

インデックス投資のリターンだけで十分だと感じている人は、あえてこの投資法を取り入れなくてもよいでしょう。

今回は「暴落時にインデックスを売ってSPXLを買う」という投資法を開設しました。

もちろん現金があるならインデックスを売らずにSPXLを購入すればよいでしょう。
その場合の買うタイミングについてもこの記事を参考にしていただければ幸いです。

インデックス投資は人気がありますし、相場を読んではいけないと言われることが多いです。
もちろんそれで全く問題はありません。

しかし少しだけ大きなリターンを目指して一部分にでも裁量を混ぜるのはありだと、個人的には考えています。

後編に続きます。

投資はくれぐれも自己責任で。

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ABOUT ME
カガミル
理三→東大医学部卒の医師です。 2019年生まれの息子の子育て中。 子育て、教育、東大医学部/医療、投資について発信します。

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